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デッキレシピ:タケシのピカチュウ #お祭り #無殿堂 #タケシイケメンすぎ

先日、有志で行われた旧裏合宿において開催された「第2回無殿堂最凶杯」で使用したデッキを紹介します。

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環境読み

普段、一定の殿堂ポイントのもとでプレイする身にとって、無殿堂は夢が広がる環境です。しかも舞台は物好きが集う旧裏合宿。だからこそ人読みから入りました。

 

まず最有力とみたのは、ゴースやわるいラフレシアを使ったトレーナーロック、ミニスカートやロケット団のおねーさんを使ったハンデス。これはミラーなら圧倒的に先攻有利です。しかし、この夢が広がる環境で、熟練(よくこじらせた)プレーヤーたちが果たしてそれを選ぶでしょうか?少なくとも多くはないと踏みました。

 

次に上記の部分的な採用について。自分でも試しましたが、いくら無殿堂とはいえ、デッキ60枚で組む以上、殿堂カード以上に重要なカードも出てきます。中途半端に「入れ得カード」に札を割いても、結局デッキパワーを下げてしまう・・・というのは、今回試してみて思ったことですし、参加者の共通認識になると思いました。

 

以上から、ロック・ハンデス対策でうじゃうじゃ湧くベイビィたちを除けば、意外とまっとうな殴り合いになるのではないか?というのが今回の見立てです。であればエネ効率と殴る手数で優位に立とう、と考えました。

 

 

ベースデッキ選定

①無水グドラ

エネルギーリムーブが容易に飛んでくるこの環境において、1エネ起動の耐久ポケモンは強いです。無殿堂無水グドラでは、相手のリムーブをケアしつつ、こちらがリムーブをしかけられるうえ、ピクシーも控えているので有力。個人的にグドラは好きですし、これを自分好みに改造するだけでも一局といったところ。

ただし、あんまりひねれないこと、山の消費が激しいわりに打点が低いこと、私のグドラのイメージが強いため読まれそうなことから今回はパス。

 

②ターボカメックス

きれいに回るカメデッキを使いたい。できれば相手はハンデスで事故らせたい――そんな野望があったのでデッキを考えていました。カメライン4-3-3は旧裏勢力の夢でしょ?

パソ通・オーキド・カスミのいかりなどから2ターン目に確実にカメックスを立て、その後は錯乱ジムやエコロジムを使って相手を封じる狙いです。ポリゴンが逃げゼロなのでわるいポリゴン2も相性がいいです。推しのカニではなく、フリーザーをメインアタッカーにすればベンチにうじゅじゃいるであろうベイビィたちへの圧力も増すでしょう。

しかし、旧裏当時に猛威を振るい、現在の殿堂ポイントに影響することになったとされるB3さんの「ダンサーリムーブ」(注:R団のサンダー+ライコウ、サンダーのエネ効率を生かして超エネリムーブを撃ちまくる)がちらつきました。リムーブは怖くなくても、環境に雷がいるならさすがに相性が悪いです。

 

③_のピカチュウ

2エネ30点はベイビィ処理に最適です。また、コイン表時の80点は大概のメインポケモンをワンパンできてしまう破壊力で、手数の面でこのうえない適性をもつといえます。

このカードの弱点はHPが50と低いことですが、今回のルールでは「きあいのハチマキ」が入れ放題なので、これに頼らないわけがない。

変わり身の術を入れて、これまで通り「キョウのピカチュウ」でいこうかと思いましたが、トレーナーカードが多くなりすぎるとハンデスされなくても事故りやすいこと、無殿堂ならではの要素が少ないことから、違うトレーナーのピカチュウとして使うことにしました。

物好き合宿の深夜開催イベントということもあり、お祭り気分のデッキを目指します。

 

 

デッキレシピ

2 _のピカチュウ(タケシのピカチュウ
2 R団のサンダー
1 ライコウ(neo3)
2 ピィ(neo1)
2 ピッピ(拡張シート青)
1 ピクシー(ジャングル)
1 ブビィ(neo1)
4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 クルミ
3 マサキ
2 パソコン通信
2 礼儀作法
1 タケシの育て方
2 タケシの保護
3 ディフェンダー
1 おうごんのみ
2 きあいのハチマキ
1 超エネルギーリムーブ
2 エネルギーリムーブ
1 突風
1 ワープポイント
1 ポケモンいれかえ
2 夜の廃品回収
1 ロケット団の爆発ジム
1 ダウジングマシーン
11 雷エネルギー 

 

 

個別解説

タケシ(保護者)

今回は「タケシのピカチュウ」として使いました。これだけリムーブが容赦なく飛んでくる環境はほかになく、対策に大きなリソースを割く理由が十分であるため、「タケシの保護」が輝いて見えました。ポケモンのどうぐと両立し、変わり身の術と違ってバトル場から離れても落ちない点が素晴らしいです。タケシまじイケメン。

超エネルギーリムーブは自分のエネも消費するものの、相手の主力が1ターン技を打てない状況にもっていきやすいのが強いと思います。自分はそれを使いつつ、タケシのピカチュウはそれから守れるというのはズルです。はい。

「タケシの育て方」が優秀で、結果的にももっとピカチュウを入れてもよかったですが、2エネ起動という点からバランス上控えめにしています。

 

 

ダンサーズ

R団のサンダーとライコウは先述の「ダンサーリムーブ」から、ピクシーラインはタケシがおつきみやまから連れてきました。

 

●R団のサンダー:打点調整役・壁役

タケシのピカチュウはグドラ等のHP90以上をワンパンできないのが弱みなのですが、どこかでプラズマ20点を入れておく動きがそれをカバーします。たとえ表が出なくても相手に圧力をかけて消極的な動きを要求できるからです。

また、きあいのハチマキを引くまでピカチュウを前に出したくないため、それまで前で粘ることができ、プラズマで自然に逃げエネも溜まるという点を評価しました。

 

ライコウ:ベイビィよけ・カメ絶対許さないマン

いらなかった保険。ベイビィが多すぎて1回もエネ貼らなかった。

 

●ピクシーライン

みんな指振って踊ってそうだからダンサーズに入れた(雑)。

ハンデスはないとみていたものの、ピィは無殿堂のたしなみとして。ヤミカラスで縛られた場合や、わるクロでねらわれた場合が困るのと、ピクシーがこの環境で強そうなのでライン採用。ピッピがベンチにいるだけで相手が気を遣ってくれるのでピクシーは1枚。たぶん1回も技使わなかった気がします。下手に出してもベイビィだされて立ち往生するので。

 

 

お祭りグッズ

●きあいのハチマキ:お祭り必須アイテム。入れすぎると事故のもとなのと、わるクロ警戒の意味で2枚だけ。

 

ディフェンダー:無殿堂とはいえ相手の火力は読みやすいので採用。4積みは事故ると思って避けましたが、これでちょうどよかったように思います。

 

●おうごんのみ:前述のわるクロをみたのと、ハチマキはコインで表を出すというとてつもなく高いハードルがあるのとで、1枚はおうごんのみに。これをサンダーに食わせると長く舞ってくれます。

 

これだけモリモリ装備できる

 

その他

●爆発ジム:打点調整用

ピカチュウがワンパンできない相手用ですが、HP50の相手をコイン裏でも倒せるようにした意味があります。相手のスタジアム(主に錯乱ジム)を割る目的の方が強いので、基本的に中盤以降、自分のベンチが埋まってから出します。

 

●リムーブ類・突風:なんかお祭りっぽい

リサイクルエネルギーが多かったですが、特殊エネルギー潰しの仕事はしたと思います。ただ、突風が多いほうが相手に圧をかけられるので、そちらに変える方が勝るように思いました。

 

●ドロソ:「あれ?いつもと同じじゃん……」

ビルド上一番の反省点。夢の中で作ったときには工夫していた気がするのになあ。捨てたいカードがエネしかないとはいえ、パソコン通信はもっと入れてよかったし、手札が減る分マサキのメールも1枚くらいはありでした。結果的にはミニスカを打たれず、ウツギが裏目に出ることはなかったのが救い。

 

 

実戦

vs あさりのみそしるさん 〇

ベイビィがうじゃうじゃ出てきて、ラッキーもうじゃうじゃ出てきて絶望的でしたが、30分勝負のサイド差判定というルールに助けられて勝利。ラッキーが最初脳筋タイプだったので、高打点で圧力をかけられたのも大きかった。

 

vs よしのんさん 〇

ニューラにすごいへんしんしたメタモンピカチュウが狩られそうになるも、コインのきまぐれでギリ耐え。何してくるかわからないデッキで、ダウジングしてまでカスミの勝負をしかけてくるので終始恐怖しかなかったものの、サイド差2枚つけて勝ち。

 

vs うっどさん 〇

グドララインは相性有利だったものの、ファンクラブポリゴンのハイパーテクスチャーでサンダーとピカチュウが超タイプにされてしまい、かなりゆっくりした戦いに。グドラをプラン通り倒し、ベイビィも狩れたので、30分ルールに助けられて勝ち。

 

 

使用感・反省

ピィスタートでは相手や自分の手札をみて動きを選べるのが大きかったです。相手がベイビィスタートだとピカチュウにエネ貼ってベイビィ前ターンエンドが強かった。タケシの保護は最終戦でがっつり刺さりましたし、ハチマキもよく耐えてくれました。

サンダーのプラズマを有効活用する意味でもパソ通はもっとほしかったですね。また、状態異常にしてくる相手が少なかったので、ワープポイントより突風を優先すべきでした。

 

反省点としてはプレイ時間でしょうか。30分サイド4枚制であることを構築段階ですっかり忘れていて、プレイ中も夢中になっていつも通りやってしまいました。無殿堂では何が飛んでくるかわからないため、考えるべき手が増えてしまうのは致し方ないところではありますが、微妙なサイド差勝ちが多かったので、もっと決断よくできたらよかったですね。

 

ともあれ、3勝0敗で優勝ということになりました。睡眠導入として何日もよく考えていたのでうれしいです。人読みが的中して、戦いにくいデッキが少なかったのも追い風でした。

 

 

オマケ:第2回夜の廃品回収杯

同合宿内で行われたまとめ売りドラフト戦もいいデッキが組めたので、記録として残しておきます。チームメイトとなったよしのんさんに助言をもらいつつ構築できたのでもよかったです。

同名カード3枚ルールがきつい

●ドラフト1位選出:ボスのやりかた、ロケット団のアジト、カツラのギャンブル

●初期コンセプト:わるいユンゲラーでドロー補助&2エネ30点

●よしのんさんからの融通:グライガーウソッキー、タケシのマンキーポケモン図鑑、元気のかけら

●最終コンセプト:初期コンセプトに加え、エネエネ+ユンゲラー50点も視野に長期戦

 

使用感としては、たねポケモンをまったくサーチできないのがつらかったです。エネは各10枚までしか用意したものが使えないので、ドラフトで1枚超エネをとりましたが、それでも超エネ単は苦しく、闘エネも採用。わるいダグトリオは逃げゼロをそろえてくる相手に刺さると思って採用しましたが、とにかくディグダが引けませんでした。

 

実戦では、わるいユンゲラーが早く立つか否かで勝敗が大きく分かれた形です。ジリ貧になっても、フーディンが立てば粘ってチャンスを作れますが、タケシのイシツブテとかいう視角にベンチ狙撃されて負けたりもしました。

ちなみに、毎試合カツラのギャンブルかギャンブラーのどちらかは表が出ていたのですが、いつも劣勢の時に引いてきたので盛り上がりました笑

 

前回のまとめ売りドラフトのとき(下記・2021冬)よりピック・ビルドが上手になったかなと思います。無殿堂もまとめ売りドラフトもぜひまたやりたいものです。

このときはエネが少なすぎ、ドラフトならではの戦略もなかった

 

デッキレシピ:脳筋ラッキータックル(二子玉川ラッキーストライクver.2.1)

東京で唯一?の店舗旧裏対戦会「ハレツー旧裏バトル」で使用したデッキを紹介します。

ハレツーでは独自の殿堂ポイントが設定されており、これまで目立たなかったカードが注目されているように思います。そのなかで、キャンプ仲間でもあるうっどさんと焚火を囲みながらアイデアをぶつけあってできたのが今回のデッキです。

 

 

初期構想~ver.2.0

初期構想

「ラッキーにニコタマ2枚貼って2ターン目80点出るの強くね?」

ハレツーの殿堂で、無色2個エネルギーに殿堂ポイントがついてないのを見て思ったことです。近年の旧裏では鋼エネルギーを4枚装着して反動ゼロで戦う「鋼ラッキー」の型が主流でしたが、HP120を生かして高い反動を受容して戦うのはいかにも当時らしい戦い方。これを軸にうっどさんとアイデアを出し合いました。

思いついた時点では、人生あまくんが好むような回復ガン積み型をラッキーに当てはめることをイメージしていましたが、ハレツーの環境考察などをふまえてこの線は消えていきます。

 

 

二子玉川ラッキーストライクver1.0

前回のハレツー用に、まずうっどさんが組んだのが、ラッキーにストライクとR団のサンダーを合わせたデッキです(この記事の最後、元ネタが分かりづらいですが、こういうことです)。

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詳細は上記の記事を読んでいただきたいのですが、基本はラッキーとR団サンダーの2軸アタッカー構成になっています。ストライクは相性補完ではありますが、逃げゼロ受け要員としての位置づけでした。

感触は悪くなかったのですが、R団サンダーが思ったより機能しなかったため、再度調整することに。

 

 

有力デッキを対策したver.2.0

実際にハレツーに出てみたことをふまえてうっどさんが調整したのがこちらです。実際の使用感と、有力だった「くいしんぼカビゴン」に対する立ち回りについての考えが反映されています。今回のver.2.1とあまり変わらないので、詳しくは後述します。

これを、うっどさんとの「旧裏キャンプ」でひたすら回して検討しました。ver.2.0にまくらぎがアレンジを加えたものがver.2.1になります。

 

二子玉川ラッキーストライクver.2.0

 

 

ver2.1のデッキレシピ

1 ラッキー(第一弾)★★★★
3 ストライク(ジャングル)
2 ハッサム(neo2)
2 R団のエビワラー
1 グライガー(neo1)
1 ムチュール(プロモ)

 

4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 マサキ
4 クルミ
1 カスミの勝負
3 礼儀作法
1 いいきずぐすり
4 ディフェンダー
1 ワープポイント
1 ポケモンいれかえ
3 きのみ
1 おうごんのみ★
1 夜の廃品回収
2 リサイクル
2 マダツボミのとう

 

4 無色2個エネルギー
3 鋼エネルギー★★★
1 レインボーエネルギー
6 闘エネルギー

 

脳筋ラッキータックル(二子玉川ラッキーストライクver.2.1)

 

コンセプトと基本的な序盤の動き

コンセプト

1分で描いたデッキイメージ

コンセプトは「反動ダメージをもろともしない脳筋ラッキーの速攻火力で場を支配する」こと。脳筋ラッキーとはいっても、やみくもに2ターン目80点を目標にするわけではありません。「最大80点が飛んでくる」ということを武器に、相手の動きを制限できるのも「場の支配」です。優れた4番バッターの”無形の力”ってやつですね(野球脳)。

 

先攻の場合

基本的にこのデッキのアタッカーはラッキーかハッサムです。

相手の場を見て、どちらを先に準備できるといいかを考えてエネを貼っていくのが基本プランです。打点調整や、毎ターン10点出すことのほうが基本プランに勝るときは、グライガームチュールで殴り始めます。

 

後攻の場合

相手の場が1ターン目で充実し、次ターンで進化しそうな場合などは、ラッキーをもってきてニコタマを貼りたいところです。これで、次の相手が1進化で攻撃してきても、ラッキーが返り討ちにできる可能性が高くなります。これがこのデッキの強いところの1つです。

後攻ではエネ枚数や進化のテンポ差で押されがちですが、ラッキーがにらみを利かせることで、相手は早い動きがしづらくなります。

次点の動きとしては、ハッサムを見すえたストライクへのエネ貼り、手札が悪くかなり押されそうならR団のエビワラーでクロスカウンターが候補です。ハッサムもみねうちで相当削れる可能性がありますが、このデッキではハッサムをサーチできるカードをれていないこと、相手HPが奇数だとみねうちがイマイチであることなどは考慮すべきところです。

 

 

強いところ:ラッキーが打点調整しながら戦える

いちばん大事なところをちゃんと説明していませんでした。

このデッキはラッキーが「すてみタックル」80点を打ったときの反動を軽減するために、ディフェンダー、きのみ、おうごんのみを潤沢に積んでいます。しかし、これだけでは毎ターンの80ダメージをカバーしきれません。

 

そこで活用するのが鋼エネルギーとマダツボミのとうです。鋼エネルギーは「鋼ラッキー」でおなじみ、「火力を10点下げて反動を20点減らす」魔法のカード。マダツボミのとうは無色ポケモンの火力を30点下げるスタジアムです。使うタイミングを間違えるとただの打点不足になってしまいますが、相手の主要カードのHPを見極め、それに刺さるようにラッキーの打点を調整しつつ戦うのがこのデッキの醍醐味です。

たとえば、この環境で強力なくいしんぼカビゴン(HP100)のデッキ相手なら、MAX火力の80点でもワンパンできないので、マダツボミのとうを貼って相手のカビゴンの打点を減らしつつ、こちらは相手を2確できる50点で戦います。

次のターン倒されないような反動計算、回復リソースの管理などなど、神経は使いますが、この調整は非常におもしろいです。デッキ名で「脳筋」を謳っているものの、内実そうでないことがおわかりいただけると思います笑

 

なお、今回スタジアムは2枚ともマダツボミのとうにしています。自分から破壊できないので打点の枷になりそうですが、相手に上書きされることを前提に、基本戦術を重視しました。リムーブ禁止ジムも候補だったので、枠があれば3枚目として入れるかもしれません。

 

 

サブのポケモンについて

ハッサムについて

ハッサムは「みねうち→ダブルクロ―」、「みねうち→ラッキーの打点調整すてみタックル」でHP80以上を2ターンで処理できるのが優秀です。逃げ2ですが、ニコタマを切って逃げる手もあり、案外ラッキーとスイッチしやすいです。また、闘相手や草相手では特に頼れる存在になるため、ver.2.0では1枚でしたが2枚に増やしました。1枚だとサイド落ちした時が特に厳しいです。

ダブルクローは最大60点出るそうですが、コイン運が悪すぎることに定評のある私はあまり期待できませんね……

 

R団のエビワラーについて

うっどさんが前回のハレツーを見て入れたくいしんぼカビゴン対策カード。クロスカウンターでたべる1ころがる50点を返してワンパンできる可能性があります。もちろんマグナムパンチでは一撃。

1枚でもいいかなと思ったのですが、劣勢時にクロスカウンターで牽制できること、ラッキーがいなくなったあとでも50点を出せることを重視して2枚にしました。ほかのポケモンの起動エネが軽いことで、マグナムパンチまで狙いやすいのもプラスです。

 

その他について

●ストライク:逃げゼロ受け要員。雑に場に出しておけるので2体目のハッサムも立てやすい。

グライガービリリダマコラッタエイパムでのスタートを絶対に許さないマン。ニコタマで弱点40点出せるのはえらい。どくばりで毒を狙えるのも地味に厄介です。

ムチュール:打点調整および壁を出された際のプレッシャー役。相手のメインポケモンのHPが奇数の場合(みねうちが刺さりにくい)や、ポケセンを採用しているデッキなどには有効です。また、ラッキーの80点を警戒して、壁ポケモンを盾にベンチを充実させようとする動きを咎めます。

 

 

ハレツー旧裏バトルの結果

実際のハレツー旧裏バトルでは、最後に盛大な初手手札事故をかまして2勝1敗でした。

有力デッキとして重点的に対策していたemptyさんの「エリカのウツボット+くいしんぼカビゴン」に当たって勝つことができたのは非常にうれしかったです。このデッキを突き詰めた甲斐がありました。ver.1.0が負かされているので、プレイヤーは違えどリベンジ達成ともいえるでしょうか。

 

終戦では手札にエネとリサイクルしかなかったので仕方ない敗戦ですが、相手のいしさんのメガバナは非常によく設計された美しいデッキで、プレイングもお見事でした。

 

 

使用感・注意点

使用感

ポケモンを雑に場に出せ、きのみもあらかじめ貼っておけるので、かなり回しやすいデッキです。ラッキーの打点調整、ハッサムのみねうち、R団のエビワラーのクロスカウンターなど、相手に圧力をかけたり選択肢を減らしたりする手段が豊富なことで、使っていて楽しさを感じられます。

また、ハレツーのルールで「50分過ぎたときにサイドが2枚以下で相手より少なかったら勝ち」というものがあるため、それも味方につけて勝ちやすいと感じました。

 

注意点①:エネの管理

注意点としては、まずエネの管理。リサイクルを入れてはいますが、使いまわせるのは基本的に闘エネ6枚のみと考えたときに、あと何枚使えるかの計算が非常に重要です。ポケモンを使いまわすことを前提にしていないデッキのため、夜の廃品回収も1枚だけです。不安に感じはしますが、ほかに割くべき枠があるので、そういうデッキとして運用します。

 

注意点②:逃げコストの管理

次に、逃げコストの管理です。このデッキはハッサム以外逃げが1以下なので、気軽にバトル場から退場できるのも強みではありますが、先述のエネ管理も相まって安易なことはできません。特に、特訓ジムを貼られると途端にエネが苦しくなります。

ver2.0ではリサイクルの代わりに「スーパーポケモン回収」が採用されており、こうした場面であるとうれしくはあるのですが、サイドを節約しなくても6枚とり切られることは稀なため、むしろ入れかえ札を増やすことを検討したほうがいいかもしれません。

個人的にドードリオラインを1-1で採用するのが好きなので、「逃げるサポート」をねじ込むほうをやってみたい気がします。

 

注意点③:1エネ打点の少なさ

1エネで打点を出せるカードがグライガームチュールしかないことは注意しておきたいところです。ハッサムのみねうちも相手HP依存(しかも切り捨て)なので、小兵に毒や眠りを撒かれたりすると非常に面倒です。初戦ではサイド落ちの影響で、壁で出された化石をまったく処理できず苦労しました……。

相手によってはグライガームチュールのほうがキーカードになる場合もあるため、山札にあるかどうかはちゃんと見ておきましょう。

 

 

おわりに

他のプレーヤーと共作に近い形でデッキを作る(土台はほぼうっどさんだけど)のは初めてでしたが、とても楽しかったです。自分に根付いていないプレイングや発想を学べたし、でもやっぱり自分はこう使いたい、というのも再認識できたので、かなり収穫がありました。

 

ちなみに、今回うっどさんが使っていた二子玉カツウィンver.2.0も、旧裏キャンプで何度か回して意見を出しました。このデッキも1エネ打点がないのが弱みだったのでムチュール入れてくれてよかった。

 

余談ですが、プレイングのほかに、やはり扱うプレーヤーによって変わってくるものがありますね。そう、コインです。今回のハレツーでもコイン運の悪さをたくさんご披露できました。さすがに9回連続裏のときは驚きましたが、それ以外はおおかた平常運転です。それではご唱和ください。

This is Makuragi!

 

……コインの神に幸あれ。

SMB2021本戦の備忘録

先日のマルスライの記事の通り、2021年度最後の予選でギリギリ通過できたので、SMB(シークレットメガバトル)本戦に参加してきました。

jetome-magneton.hatenablog.com

 

残念ながら結果は最下位に終わってしまいましたが、事前準備や考えていたこと、対戦の概要をまとめておこうと思います。2021年度の旧裏の区切りということで。

 

 

 

 

環境の予想

コダックやゴースのトレーナーロックはどうしても対策しきれず、これがやはり強いと思っていました。わるいクロバットも、これらと組み合わせなくても瞬間火力が高く、有力とみました。

あとは、SMB本戦の特徴として対戦数が多いため、弱点をもたないゲンガーライン、キングドラは安定感があり採用しやすく、長期戦になりやすいデッキは連戦の疲労を考慮して敬遠されると考えました。また、ミニスカートに弱いので、大暴走軸がメインとなる鋼ラッキー、オーダイルはないとみました。

 

 

「先攻で強いデッキ」をどうするか

先1トレーナーロック、ミニスカートの対策を考えれば考えるほど、「先攻優位」を勝ちに直結させる戦術をもっているデッキが圧倒的に勝ちやすいということがわかってきます。わかってきた、というか、今まで自分が目を背け続けてきたことです。

 

おそらく、こうした「先攻で強いデッキ」への一番の対策は、「先攻でめちゃくちゃ強いデッキ」を使うことでしょう。ただ対策するためだけに札を割くより、最短で勝つパーツに札を割くほうが合理的です。

 

とはいえ、自分は旧裏ではじっくりねじり合う戦いがしたいので、先述のようなデッキは今回使わないことにしました。対戦数も多いですし、使ってて自分が楽しくなくなることも危惧しました。

(誤解のないように言っておくと、ルール上問題ないものですし、立派なデッキコンセプトなので、先述のようなデッキを使っているプレーヤーを非難する意図はありません)

 

 

縹グドラべトンを使ったわけ

本戦で使ったのは、昨年かなりの試行錯誤をしてつくった縹グドラべトン。

m-pcgclassic.hatenablog.jp

 

当初はカツラのミュウツーWANTメガバナを考えていましたが、前者はねじり合いが主眼であるものの先攻での制圧力が強すぎて今回の趣旨に沿わず、後者は炎デッキへの不安がぬぐえませんでした。

 

キングドラは弱点ももたず、短期志向のデッキを相手に長期戦に持ち込む戦いがしやすいデッキが組めます。縹グドラべトンは受けが強いデッキで、相性が最悪のデッキ以外はいい勝負にもちこめます。なにより、自身が使い慣れているので、年度末で準備に時間がとれないなかでは最も信頼できると判断しました。

 

ただし、ベトベトン自体が有効かどうかは疑問でした。強力な特殊能力はおおかた長期戦志向のデッキにみられ、長期戦志向のデッキは2021年激減していました。とはいえ、べトンの代わりに何を入れるか考えたときに、縹グドラをベースにいろいろ試行錯誤してみてもいいバランスにたどり着きませんでした。雷グドラ錯乱グドラといった既存の良作に劣ります。

 

結局、シードラから動けるようにすること、「たつまき」を狙えるようにすることに加え、ロック相手にマヒをまけるベトベターを有力視してそのままべトンを採用しました。べトンはわるいクロバットには一応効くので、複数いるであろうわるいクロバットと、ダークホースの古来からのロックデッキ、いるかもしれない長期戦志向デッキ対策になればよしと思いました。

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縹グドラべトン

今回の工夫としては、グドラライン、カスミのゴルダック、べトンの3ラインを立てやすくすることを狙って、ポケモン育て屋夫婦を1枚採用しました。ポケモン交換おじさん4枚だと手札で腐りやすく、ポケモンがないと引っ張ってこれないためです。礼儀作法で手札を見せたくない場合が多いのでこちらを使ってみます。

ハナダシティから育て屋さんの家が近いこともあり、デッキの世界観が広がります。

 

 

対戦記録

vs ジャストさん

後攻ドロー、負け。

先1ミニスカ+カツラ+もえあがるを決められ、手札に見えるカツラのウィンディを次ターンに止めるすべがありませんでした。たね切れ負け。開幕一番、「先攻で強いデッキ」の勝ちパターンを見事に決められてしまいました。

 

vs なふださん

切り替えて2戦目。しかしピクシー入りのエリウツは相性が最悪です。

エリウツ封じにベトベトンを立ててしまうと、ピッピの「ひかるゆび」でずっと呼び出され続けてしまいます。また、こちらのサブアタッカーのカスミのゴルダックは草弱点。メインのグドラも「はっぱカッター」で確2というのがつらいところ。

グドラ一本で戦う戦術をとるも、相手はベイビィを壁にエリウツを育成し、盤面はどんどん不利に。ラインのサイド落ちがつらい中、錯乱ジムの餌食になったところで勝負あり。こちらの撒いたあまいエサにはまったく引っかかってくれず完敗でした。

 

vs ねねしさん

後攻ドロー、負け。

ダウジングマシーン込みでロケット団のおねーさんを3回使われて手札は一枚に。次ターンに相手のわるいブースターを止めるすべがありませんでした。たね切れ負け。

サカキのペルシアンがデッキ圧縮に、サカキを含めた進化ラインの消費がマサキのメールの活用に働いている革新的なデッキでした。今大会でデッキ賞を決めるならこれに一票。

 

vs よしのんさん

グドラミラー。相手の相棒はフシギバナで、べトンは刺さるというより戦力換算できないぶん不利です。とはいえ、べトンでフシギバナを止め、グドラがにらみ合うという戦いになりました。

フシギバナの4エネ60点はグドラミラーではやはり強力でしたが、ポケセンのタイミングがはまったことや相手のドロソの薄さに助けられてなんとか受けきり、サドンデスへ。こういう戦いがしたかったんですよ。

サドンデスはカスミのゴルダックがいるぶん、こちらが有利でしたが、パーツがそろわず、互いにグドラを立てるまで進む展開に。かなり判断に迷う分岐がありましたが、最後は相手のたつまきをかわし、返しにたつまきを当てて勝ち。

 

vs マコマートさん(おじゃま枠)

(正規の本選進出者ではない「おじゃま枠」の1人として参加)

最初からカスミのニョロモ+カスミ+プラパでタッツーを落とされ、立ち上がりから苦しい盤面。タッツーを出すたび、上記のようにして狩られるも、カスミのゴルダックを立ててからはカスミのニョロモを駆逐していきます。

相手がハガネールを起動する動きを見せたため、こちらはようやく立てたグドラの「たつまき」を準備。ようやく4エネまでつくも、そこでカスミのヒトデマンを出され、ポケセンが要求される厳しい展開。グドラがエネを失って以降は、完成したハガネールが立ちはだかります。

苦しい盤面が続きますが、縹グドラべトンの本領発揮、グドラやゴルダックベトベトンで受けまくります。制限時間後のラストターン、「だくりゅう」で相手ベンチを倒し、サドンデスに。こういう戦いがしたかったんですよ。

サドンデスは、カスミのニョロモ+カスミ+プラパ×nの火力をたねポケモンが受けきれるはずもなく負け。

 

vs 人生あまくん

相手のゴーストブラッキーは不利な相手。ベトベトンがまったく刺さらず、ゴーストの「おんねん」はグドラに痛撃で、ブラッキーは受けの強みを消してきます。

開始前から、なんとかサドンデスに持ち込む展開が勝ち筋と考えていました。とはいえ、もし実現してしまうと3度目のサドンデス。すでに2回のサドンデスで時間が押している中で、ちょっと気が引けてしまいます。

いざ対戦が始まると、先攻で相手のスターターはイーブイ(HP30)のみ。先攻ワンキルは先述の通り本意とするところではありませんが、勝ちを求めるなら検討したい状況です。2回のサドンデスで大局観がマヒしていたこともあるでしょう、プラパ2枚・悪エネ1枚しか入っていない中でワンキルを狙って見事撃沈。リソースを切りまくったところを順当に殴られて負け。

 

vs ぷーさん

ぷーさんの優勝がかかった大一番。日頃よく旧裏をやっている間柄なので、ぜひ優勝してもらいたいところですが、全力で阻むのが礼儀というもの。それに、私はこれに負けたら最下位確定なので意地を見せねばなりません。

ぷーさんはミニスカ+エンテイでカツラのファイヤーにエネをため、グドラ対策の構え十分。3ターンほどドロソが引けずに止まるも、ブビィが「ひのとり」をかわしまくって「パンチ」しているうちにウツギを引いて展開に成功します。

そして、べトンを立て、カツラのファイヤーを落としたところで気が付きます。

これべトンで詰んでね?

~fin~

 

 

おわりに

2勝5敗という結果で、同率で並んだものの、直接対決の成績などで最下位になりました。随所でいい戦いはできたので後悔はありません。また、本戦にあたって立てた仮説はあまり当たりませんでしたが(コダック・ゴースもわるクロもゼロとは!)、やはり「先攻優位」を勝ちに直結させる戦術をもっているデッキは強かったです。今後はこの点を自分がどうとらえて楽しむかだと思います。

 

縹グドラべトンには最下位という汚名を着せてしまいましたが、受けて粘って終盤勝負、サドンデス!という真骨頂を見せられたので一定の強さは見せられたかなと思います。制限時間後のサドンデスについては、やはり大会運営上厳しいと思うので、いっそ引き分けや後攻勝ちなどの裁定にしたほうがいいのかなとも思います(現行だと時間切れは両者負けですがそれはなしで)。

 

とはいえ、苦手対面に対して、「サドンデスに持ち込めればワンチャンある」と考えてプレイングを組み立てるのは楽しいので、ぜひ皆さんやってみてください。時間制限のあるルールならではの話ですが。

 

デッキレシピ:マルスライ

旧裏の古典「スライ」を最近の環境に合わせてアレンジしてみました。
従来のスライとは少し考え方も異なります。

 

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マルスライ

  

 

 

デッキレシピ

4 ピカチュウ(プロモ、じゅうでん)
3 ライチュウ(neo3)
3 ビリリダマ(R団)
1 ビリリダマ(拡張シート赤)
2 マルマイン(第一弾)☆☆☆☆/★★★★
1 わるいマルマイン
1 ドードー(第一弾)
1 ドードリオ(ジャングル)
1 R団のストライク

 

4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 クルミ
4 マサキ
1 カスミの勝負
1 礼儀作法
3 ポケモン交換おじさん

 
3 夜の廃品回収
4 プラスパワー
4 ポケモンぎゃくしめい☆☆☆☆☆☆☆☆/★★★★
1 抵抗力低下ジム

 

10 雷エネルギー

ーーーーーーーー

杉並殿堂2021☆:12/8
新殿堂   ★:8/8
高槻殿堂 NG(2022/02/24)

 

 

スタンダードなスライについて

スライは、旧裏当時に強力だったキングドラデッキの対策デッキとして開発されたもののようです。経緯は下記のブログにくわしいので、この記事では割愛します。

000708.blog.fc2.com

 

基本的にピカチュウの「じゅうでん」で最初にエネ加速を行い、2ターン目からライチュウの「らいげき」で40or80点を出していく戦い方。そこに、「らいげき」のトラッシュコストを補うためのマルマイン「エネエネ」が入ってきます。プラパもからめて50点90点を容易に出せるようにし、逆指名で相手の急所を突いていくことで、テンポよくサイドを取り切ることができるのがスライの強いところです。

 

逆に、良くも悪くも一直線の戦いになりやすいので、上記の強みを生かして先行逃げ切りを通せないと勝ちにくくなるデッキでもあります。

 

近年の環境では、スタンダードなものをアレンジした下記の型が主に使われています。

●R団のストライク入り・・・少なくとも2016年から使用されていた定番。ドンファンやわるいバンギラスなどの雷抵抗持ちデッキに対して活路を見出せる。
ウソッキー(PF2)入り・・・ユミルテミルさん考案。鋼ラッキーやスライミラーに強い。

 

 

従来のスライの弱み

そもそもがグドラ対策のデッキなので、現在でも対グドラデッキの急先鋒に位置付けられます。しかし、弱みも多く抱えているため、あまり活躍の機会が得られていないのが実情です。主なものを以下に挙げます。

 

①メインアタッカー(ライチュウ)の限界

まず、相手にサイドを献上してでもテンポよくサイドをとっていく戦略上、雷抵抗持ちが中心のデッキや、鋼エネ入りやHP90以上のポケモンが多い高耐久デッキが厳しい相手になります。

具体的にはドンファン、わるいバンギラス、鋼ラッキー、UDONあたりです。やりようがなくはないですが、エネエネを使わないとエネが追いつかず、使ったらライチュウ1体につき2枚のサイド取得が必須、といった戦いになるのは苦しいです。

 

②挽回手段の少なさ

②は上記とつながります。アタッカーがほとんどライチュウで、エネなしから1ターンでらいげき起動までいくにはマルマインが必須。相手に読まれやすいうえ、劣勢でさらにサイドを献上しなければならないのは厳しい。

さらに、せっかくライチュウが立っても、局面を打開する前に倒されてしまうという場合が多いです。相手が誤ってエネを一体に集中させたりしなければ(意外とあるけど)逆転の糸口を見つけるのは難しい。

 

③展開上の事故の多さ

プラパ、逆指名、まきベトといった、タイミングが限定的なカードが入りやすく、また交換おじさんでたねを展開する形で手札を消費してしまうため、事故が起こりやすい部類の構築です。

この中で、1ターン目の理想形である「ピカチュウにエネを貼ってじゅうでん」を実現させられる確率は案外高くありません。これができないと2ターン目からのらいげきがエネエネ要求になってしまうため、盤面の強さに大きな差が生まれてしまいます。

 

④後攻での脆弱性

③で1ターン目の理想形がそれほど容易ではないことを述べましたが、理想形ができたとしても、後攻では流行のデッキに対して弱い対面になることが多いです。

たとえばロック。この場合は先攻1ターン目でもトレーナーロックされているでしょうから、後攻2ターン目でコダックorゴースを10まんボルトで倒せたとしても場にエネが残らず、展開の差が顕著です。

次にわるクロ。先攻2ターン目でわるいゴルバットとプラパをからめてピカチュウが落とされる光景は容易に想像できるでしょう。その他2ターン目から50点を出してくるデッキも同様で、せっかくじゅうでんをしても手損(攻撃機会を一回無駄にした)になってしまうのでは弱いです。

 

 

基本的な動き方

初手スピードボール~エナジーボムを目指す

前項の①④を踏まえて、このデッキで目指す初手は、ビリリダマスピードボール20点で殴ることです。わるいマルマインを採用することで、2ターン目のエナジーボム30点と合わせて、HP50+αの相手をきぜつさせることを狙います。

もちろん相手によってはじゅうでんの方が効果的なこともありますが、スピードボールで先1ロックや、後述する環境デッキへ圧力をかけられるのは優秀です。

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雷弱点相手ではワンキルの可能性も

 

 

ライチュウを無傷で起動させるねらい

わるいマルマインの採用理由は、20点+30点を狙うためだけではありません。前項の弱み①で述べた、ライチュウの限界をカバーする役割があります。

まずは、序盤にピカチュウを出さないことで、ライチュウにダメカンが蓄積しにくくなります。回復札が入りにくいスライでは、序盤の小兵のダメカンの受け皿となってくれる存在は非常にありがたいです。

次に、エナジーボムによって素点で30点を出せるようになること。エネがなければ「エネエネ」でわるいマルマインにつけて、エナジーボムでベンチのライチュウに飛ばすといったこともできます。これは中盤以降の挽回策としても有効です。

なお、わるいマルマインはHP60ですが、エネを放出してから倒されるなら痛くありません(ライチュウに傷がつくよりよっぽどマシ)。また、ドードリオや逆指名のおかげでバトル場に立ち往生しにくく、このデッキにおいては立てた後も邪魔になりません。

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相手に30点与えた状態で無傷のライチュウを出す狙い

 

 

サイドプランと挽回手段

スライはテンポよくサイドをとりきるのが肝なので、一応のサイドプランは意識します。前後はしますが、楽に勝つときはだいたい下記のパターンです。

1枚目:スピードボール+エナジーボム(+プラパ)
2枚目:らいげき(+プラパ)
3枚目:らいげき全トラッシュ
4枚目:エネエネ+らいげき(+プラパ)
5枚目:らいげき(+プラパ)
6枚目:らいげき全トラッシュ

 

スライは脆いデッキです。上記の理想プランではエネエネ1回、ライチュウ1没でサイドを2枚とられるイメージですが、そうなると劣勢になったときに相手に許せるサイド取得は3枚までです。だいたいエネエネは2回使うことになるので…と考え始めるともっと少なくなります。そこで、劣勢のときに考えたいのは、現局面の打開のために何枚サイドをあげて大丈夫かということです。

たとえば、メインアタッカーであるライチュウにさえダメージが入らなければ、マルマインたちを壁にして待つプレイングもアリです。それでは間に合わない、と思われる場合は、ほしいカードを引くためにどれだけのリソースを犠牲にしてもよいか、を考えます。スライはプラパや逆指名といった、サイドをテンポよくとるためのサポートカードありきなので、この枚数をどこまで絞っても勝ちきれるかの計算が大事です。

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エナジーボム先のライチュウが落とされた盤面。ここでエネエネ+エナジーボムで再び次ターンのライチュウ起動を狙う場合、どのカードでサイドを献上する計算がよいか?

 

 

スライが現環境で刺さるわけ

キングドラ

先述の通り、対キングドラのために生まれたデッキなので説明は不要かもしれません。現在でもグドラ側に有効なスライ対策はありません。しいていえば、ゴースやコダックを入れて先1ロックを仕掛けるくらいでしょうか。

新殿堂では他の殿堂と異なり、グドラの主要パーツの殿堂ポイントが軽いため、強力なグドラデッキが組みやすい環境です。自然と使用される頻度も上がるため、スライが刺さりやすいと考えました。

 

対わるいオニドリル

実はグドラよりも意識していたのはこちら。2019年のSMB本戦で人生あまくんがわるオニ単で優勝し、その後わるクロと組み合わせたマコマートさんのデッキが随所で猛威を振るっていました。

個人的に、わるいオニドリル2エネ40点を出せるカードたちが再注目されるきっかけとなったカードだと考えており、ひととおり2エネ40点カードを試し終わった後に使う人が増えると踏んでいました。

わるいオニドリルは逆指名と相性がよく、強引な突破力が持ち味。うまく回されると勝つのはかなり難しい相手ですが、雷弱点にスライが刺さります。HP50のオニスズメはスピードボール+プラパで一撃。ロケット団のアジトでHP80になるわるいオニドリルも、らいげきトラッシュなしで一撃です。一方ライチュウは「ドリルダイブ」で確2なので、後続を絶やさないようにだけ留意すれば問題ありません。

 

対トレーナーロック

スタンダードなスライでは、後攻をとったときにトレーナーロックが苦しいと先述しました。しかし、ビリリダマスタートできれば、2ターンでバトル場のロックを解除できるうえ、先攻をとれればむしろこちらが圧力をかけられます。

先1ロックはこれでもやはり厳しい相手で、「刺さる」とまではいえないでしょう。特にわるクロ相手だと先2から追加打点も飛んでくるので、メインアタッカーを倒し続けるだけではライチュウが持ちません。ただ、本格的にコダック、ゴースのトレーナーロックを対策するとなると、ベイビィスタートを目標にすることになるので、このデッキではこれくらいで十分だと思います。

 

 

採用検討

まきちらせ!ベトベトガス

スタンダードなスライでよく見かけるカードで、プテラベトベトンなどのロック対策、メガニウムバリヤードなどの機能停止を目的としています。

今回採用しなかったのは、事故率を少しでも減らす目的もありますが、一番は結局スライは尖らせないと弱いと考えたからです。環境にいなさそうな苦手対面の対策は潔くあきらめて、コンセプトの強化を重視しました。

 

やさしいサンダース

後述の予選使用デッキでは1-1で採用。元々使っていたスライで、事故率と耐久性の低さが気になっていたため、デッキ圧縮兼時間稼ぎとして入れていました。

動きとしてはなかなかおもしろいのですが、そもそもスライは持久戦が得意でないため、このカードを使ってもジリ貧になることが多いです。この役割は、先述したユミルテミルさんがミュウ(ニュートラルシールド)に担わせており、このデッキでもヤミカラスの餌食にさえならなければ有効なカードだと思います。

 

ナツメの眼

リソースをなるべく切りたくないこのデッキにおいて、ハンドリフレッシュできるナツメの眼は有用です。しかし、ナツメの眼は手札が増えない(むしろ一枚減る)うえ、用途が限定されたカードの多いこのデッキでは、かえって事故の誘因になってしまうこともあります。

そこで、カスミの勝負を採用しました。安定はしませんが、相手のハンデスを狙うこともできるので、使っていておもしろいカードです。ドロソ枠としての採用ではないため、ここはナツメのサイキックコントロールでもアリだと思います。

 

 

使用感

 

3戦中2戦でわるオニデッキ(うっどさん、マコマートさん)に当たり、いずれも勝利。2戦目のメガバナでは惜しくも敗れてしまいましたが、運よくオポ差で2位、本選進出です。参加者10人前後で3名がわるオニデッキで、あまりに読みが的中して驚きました。多少展開が悪くてもやはり弱点は大きく、無難な勝ち方ができたので、対策デッキとしてもってきた甲斐があります。

 

人生あまくんのメガバナとの対戦は、メガニウム+サカキのニドキング(HP120)で場を制圧されながらも、メガニウムを2度落としてなんとか食らいつく好ゲーム。最後、制限時間ギリギリでサイド同数に追いつき、あとはHP40のチコリータライチュウのでんきショック×2で落とすだけ……となったのですが、ここでまさかのリフレクター×2。ぎりぎりを凌がれ、その後突風でサイド1枚差をつけられたのでした。

 

 

おわりに

わるいマルマインでエネをひかるライチュウに飛ばしたら強いんじゃ??という発想から始まり、最終的にスライのマイナーチェンジに落ち着きました。ひかるライチュウに飛ばすのもまあまあ強いかもですが、真スライに比べるとちょっと……。サンダーとかに飛ばしてみたりもしましたが、今のところスライがベストフィットです。

デッキ名は語呂がいいのでマルスライとしました。マル(mal)はフランス語で悪という意味だそうです。

 

わるいマルマインの1エネ10点はそのドヤ顔にそぐわない、誠に残念な打点ですが、ドードリオがいること、エネエネしてエナジーボムが無理なくできることでその点をさほど嘆かずに済みました。なかなか粋なカードだと思いますので、皆さんもぜひ可愛がってみてください。

 

 

デッキレシピ:カツラのミュウツーWANT

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このミュウツーは遺伝子の組みかえをして、私が作ったポケモンだ。完全体にするために私の細胞を移植している。
そして私の体にも暴走したミュウツーの細胞が入り込んでいる。―――カツラ

(『ポケットモンスターSPECIAL 7』,小学館,2000,p.33)

 

名作「ポケットモンスターSPECIAL」(以下、ポケスぺ)の第1・2章において、脇役ながら強烈な印象を残すのがカツラとミュウツーの関係です。

過去の過ちの落とし前をつけるべくミュウツーを追い求め、命がけで対峙した後はともに生きようとするカツラ。そしてカツラを受け入れ、その意図を汲んで戦うミュウツー

作中、カツラがミュウツーを「兄弟」と呼んでいることからも(5巻p.187)、ポケモンと人の別を超えた関係性を示しています。上記のようなのっぴきならない事情があるとはいえ、文字通り一心同体で戦う姿は胸を打つものがありました。

 

今回は、ポケスペ第1・2章におけるカツラとミュウツーの戦いぶりを旧裏で再現すべくデッキを作成しました(第3章以降の内容はふまえていません)。ただのファンデッキにならないよう、初期構想からかなり時間をかけて仕上げたデッキですが、ポケスペ原作を再現する部分も多く入れられたので、原作との関連も含めて書いていこうと思います。

 

 

 

  

デッキレシピ

3 ミュウツー(プロモ)
1 アンノーンW
1 アンノーンA
1 アンノーンN
1 アンノーンT
2 ゴース(化石)
1 ゴースト(拡張シート緑Lv.26)
1 ゴースト(拡張シート緑Lv.25)
1 コラッタ(R団)

 

4 オーキドはかせ
4 エリカ
4 マサキ
4 クルミ
1 スパイ作戦
2 カツラのギャンブル
1 カツラの奥の手

 

3 礼儀作法
1 マスターボール
1 超エネルギーリムーブ☆☆☆☆☆/★★★★
1 ミニスカート☆☆☆☆/★★
1 突風☆☆/★★
1 ワープポイント
1 ポケモンいれかえ
2 ポケモン回収☆☆
2 夜の廃品回収
1 元気のかけら
1 にせオーキドはかせ
1 いいきずぐすり
1 プラスパワー
1 抵抗力低下ジム


10 超エネルギー
ーーーーーーーー

杉並殿堂2021☆:13/8
新殿堂   ★:8/8

 

 

デッキ解説

基本的な戦い方

1ターン目から山を掘りまくって盤面をそろえるデッキです。
実現したいことは以下の3つ。

ミュウツーが「エネルギーきゅうしゅう」を使う
アンノーンをそろえる
③ミニスカートを使う

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先後や相手のデッキにもよりますが、基本的にはこの3点を狙っていきます。

完成盤面ではミュウツーが毎ターン40点を出し、相手にハンデスをかけ、強力なトレーナーを使いまわすため、デッキ相性や相手の引きが災いしない限り大差の盤面で優勢を築くことができます。

 

最初の礼儀作法ではサイド落ち確認が特に重要で、アンノーンなどどうしてもピックしたいカードが埋まっている場合のみコラッタを出します。ゴースも1体ベンチに出したいので、ここの判断は大きく戦局を左右します。

 

使いまわすトレーナーは、超リム、突風、ミニスカ、夜廃、抵抗力低下ジム、いいきずぐすり、プラパが主な選択肢ですが、ミニスカ後にドロソを回収する動きも強力です。ちなみに、プラパは最終調整の段階でうっどさんに助言をもらって採用を決めましたが、要所でプラパが使えるのは想像以上に気持ちよく、サイドレースが楽になります。

 

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相手によって有効なカードを使い分ける

 

 

デッキをまわす際の考え方

これは完成盤面を築くためのドロソ・サーチを多く積んだ、いわゆるソリティアデッキの類です。ソリティアデッキはドローのためにカードをトラッシュすることを厭わないことが多いですが、このデッキは厭わないどころか、喜んでトラッシュします。キーカードでも今不要であればどんどんトラッシュです。

背景にあるのは、

●捨てる効果はメリットである

●トラッシュの方が山札より近い

という考え方です。

 

まず、カードを捨てるのはデメリット効果と考えられがちですが、「エネルギーきゅうしゅう」のようなトラッシュのエネルギーを活用するカードにとってはメリット。ここまでは周知の事実ですが、このデッキではポケモンやトレーナーもトラッシュに送るのがメリットになります。

アンノーンの「WANT」によるトラッシュのトレーナーピックがわかりやすいでしょう。コイン運に依存するという懸念はありますが、毎ターン50%でトラッシュのトレーナーカードを手札に加えられる――山札から素引きするよりも確率が高いのです。「トラッシュの方が山札より近い」とはこういう意味です。

 

今使わないカードをクルミで戻してしまうと、また使わないタイミングで引いてしまう場合があります。それなら、よりこのターンにほしいカードを引く確率を高めるよう、ドロソを山に戻しておいたほうが得策な場合があります。もちろん、WANTの成功の下振れや、瓦解してしまうリスクも考えて決める必要がありますが、考え方としてはこのような感じになります。

 

ポケモンについては、不要なカードをトラッシュできれば礼儀作法が使いやすくなります。ベンチ枠の都合上、不要なたねは出したくないので、捨てるのが第一選択です。手札についてはどうせ捨てるしミニスカを使えば飛ぶので、手札公開のデメリットもあまりありません(ついでにいえばアンノーンTのtellも積極的に使います)。ミュウツーアンノーンも1枚完結でサーチできる強カードで盤面をどんどん揃えます。

また、ゴースト(おんねん)は終盤まで不要なカードなので、早めにトラッシュに寝かしつけたいところ。ゴースが見えた瞬間に採用がバレるので、下手に隠さず堂々と捨てましょう。

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場に出したくないミュウツーはこれで切れる

 

 

カツラのギャンブルについて

旧裏のカツラ関係のカードは、なぜかやたら運に大きく左右されるカードが多いです。暴走したミュウツーの細胞がカツラに入り込んでいるから??

とはいえ、このデッキの顔でもある「カツラのギャンブル」については、計算しながら運用できるカードだと考えています。なぜならこのカードには、確定で「捨てるメリット」があり、「50%で大量にドローするメリット」もあるからです。決して過大評価ではなく、たとえコインが裏でも、1つのメリットは得るので最低限機能します。ドロソラインがつながらなくなるリスクはありますが、このデッキにはどのみちウツギはかせは入りませんし、スパイ作戦だけでは非力です。

これだけだとドロソとして見劣りしてしまいそうなので、少し具体的に考えてみましょう。

 

●理想:手札にオーキドがあるケース
→カツラのギャンブルでどのみち捨てるカードをトラッシュ(仮にクルミがあっても先に使う)
表なら手札増えてOK、裏でもオーキドでOK

 

●手札にカツラの奥の手があるケース
→カツラの奥の手を残して手札全トラッシュ
表なら手札増えてOK、裏なら奥の手で手札増+主人公演出

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どっちに転んでも勝ちのギャンブル

 

●手札にほかにドロソがないケース
覚悟を決めてカツラのギャンブル
こういう場面での賭け方が勝負の行方を左右する…こともある。

仮にほかの非はかせカードを採用していたとしてもドローの継続が望み薄の手札であれば、カツラのギャンブルの採用に非はありません。目の前のコインに全力を注ぎましょう。

 

 

原作の再現箇所

戦闘の時間制限

離れていられないだけでなく、外に出て戦える制限時間があるのだ。…まあ3分というところだろう。それを超えるとこの体がイカれてしまう、フフフ。

(『ポケットモンスターSPECIAL 7』,小学館,2000,p.34)

ポケスペミュウツーには、戦闘に関して以下の特殊な制約があります。

ミュウツーはカツラから離れて戦えない
●カツラの都合上長く戦闘ができない

このデッキでは「長く戦闘ができない」という点を「展開を急ぐ」「コストを厭わない」「自分の山札を早期に薄くして戦う」と読みかえて再現しています。カツラのギャンブルカツラの奥の手が、途端に鬼気迫る、迫力のあるカードに見えてこないでしょうか。

 

 

”念力竜巻”

中心部はとりこんだ者をねじ切る万力!周辺部は打ち出された攻撃を、ビリヤードのようにはねかえす防壁!まさに攻防一体の陣。”念力竜巻”!!

(『ポケットモンスターSPECIAL 3』,小学館,1998,p.105)

ポケスペミュウツーのメイン技の1つが、念のエネルギーを用いて起こす竜巻(サイコウェーブ)です。これを再現するのは、まず超エネルギーリムーブ。自らのエネルギーをコストにして、相手の場のどこにでも”竜巻”が襲いかかります。そして突風。超リムが「防」なら、突風は「攻」――とも言い切れないのですが、元ネタ通り2つの特徴をもって再現しています。

もちろん、先述のWANTで使いまわすのに強力な2枚であることはいうまでもありません。

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強力な”竜巻”を何度でも作り出す

 

 

“スプーン”

相手が一匹ならば同じエネルギーをスプーン型の武器に収束させる。奴はその戦闘状況にあわせて自在にエネルギーをあやつることができるのだ。そう、あのスプーンはまさに念(エスパー)の超技!!

(『ポケットモンスターSPECIAL 3』,小学館,1998,p.117)

ポケスペミュウツーのもう1つのメイン技は、念のエネルギーでスプーン状の武器を作り出して戦うこと。このデッキでは、単純に3エネためてからサイコバーンで殴ることでなぞっています。ほら、大きいスプーンで殴ったらたぶん「バーン!」っていうだろうし。……サイコバーンってデメリットなしで連発できるし強いですよね!ね!

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こういうことです。バーン!

 

 

”フォーク”

フォークのように形をかえたエネルギー体”スプーン”がワタルのボールに!!―――イエロー

(『ポケットモンスターSPECIAL 7』,小学館,2000,p.37)

原作7巻のワタル戦で、時間のないカツラはワタルの残りのポケモンが入ったボールを破壊しようとします。狙いは後続のポケモンを出させないようにすることで、ミュウツーの”スプーン”をフォークに変形させてワタルの腰にダイレクトアタックをしかけますが……。

かっこいいですよね、フォーク。これは「相手の後続を断つ」と読み替えて、ミニスカートフォークダンスをしかけます。事前ににせオーキドはかせを出しておくとなお効果的です。

……え?何言ってるかわからない?ですからミニスカを使って相手の腰にダイレクトアタックをですね……

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こういうことです(???)

 

 

”バリア”

攻撃はまだだ。まずは防御にまわり、やつの能力をみきわめなければ。

(『ポケットモンスターSPECIAL 7』,小学館,2000,p.21)

戦闘可能時間が短いミュウツーにとって防御はあまり相性がよくありませんが、作中ではいったんバリアで受け、機を見てバリアを張ったまま突撃するシーンがみられます。これはカードによって直接的な再現を試みることはしなくても、相手のデッキや出方に応じたプレイングができるこのデッキの性質で十分再現できているでしょう。

受けとしては超リムのほか、いいきずぐすりの使いまわしも有用です。

 

「お休み中」

ふだんこいつは、特殊な水溶液の中で暮らしている。運ぶ時も水溶液に入っているのと同じ効果を持った特殊なボールを使う。

(『ポケットモンスターSPECIAL 7』,小学館,2000,p.34)

ポケスペミュウツーは、ふだんカツラの研究所の水溶液の中におり、そこには「お休み中」という札が下がっています。これは「エネルギーをたくわえている」と読み替えて、1ターン目のエネルギーきゅうしゅうで対応していることにします。

また、「特殊なボール」については、原作同様マスターボールを採用。ただし、これはミュウツーのサーチ用ではなく、終盤に夜廃で戻したいずれかのゴーストをもってくるために入れています。ぶっちゃけこれも礼儀作法で問題ないのですが、コンセプト上ぜひ入れたいカードです。

なお、後述の没デッキではタイムカプセルでの再現も検討していました。

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ミュウツー「解せぬ」

 

 

ザワザワ・びくんびくんetc...

この腕は…もうすぐ使いものにならなくなる。ミュウツー細胞は、いずれ全身を侵食し私の生命を奪うだろう。(中略)やつには私の!!私にはやつの細胞が入りこんだおかげで、近くまでくれば互いの位置がわかる!共鳴ってやつだ。

(『ポケットモンスターSPECIAL 3』,小学館,1998,p.117)

カツラは腕からミュウツー細胞に入り込まれ、7巻段階では肩近くまでを蝕まれています。作中、カツラの腕はよくザワザワ疼いていますし、時折ミュウツー細胞が暴走して血管?がびくんびくんしています。

でも私、気づいちゃったんです。あれね、たぶん腕の中にアンノーンが埋め込まれてるんですよ。びくんびくんいってるやつ、なんとなくアルファベットに見えませんか?自然とミュウツーの位置までわかっちゃうんなんて、こりゃ文字通り「ミュウツーWANT」ですよHAHAHA!

(注:その論理なら「FIND」のほうがしっくりくるんじゃね?ってツッコミはなしでお願いします)

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こういうことです(イメージ)

 

 

控えポケモン

ゴースト!たのむよ。(はーい)カツラさんが留守の間、この男の世話をするように頼まれているんだけど。—――ボーイスカウトとゴースト

(『ポケットモンスターSPECIAL 6』,小学館,1999,p.159)

カツラの留守の間、秘密の研究所兼グレンジムを守っていたのはボーイスカウト。カツラの特訓相手になっていたり、単身で危険人物を管理したりと、なぜかやたらカツラに信頼されているトレーナーです。彼の相棒はゴースト(返事しててかわいい)。この、むじゃきな顔をしたゴーストには見覚えが……。

 

4巻のグリーンの回想シーン(四天王戦の2年前)で、無人発電所でのキクコ戦が描かれますが、そこでグリーンのピンチを救った「ボーズ」のゴーストとそっくりです。「ボーズ」の髪型もボーイスカウトにそっくり。作中で直接言及はされていませんが、2年も経っていますから、成長して立派なトレーナーになったということでしょう。

 

カツラの留守を守る者の相棒ということで、ゴーストはこのデッキのサブとして採用します。ポルターガイストのほうは作中で描かれているような正規ルート。ミニスカが引けないときや苦手対面のときなどのプランBとして積極的に活用します。

おんねんのほうは、作中何かしら事が起こってしまった場合のifルートでしょうか。このデッキでは終盤の一発逆転狙いや、牽制・囮として活用でき、入れておいて損のないカードです。

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優秀な控えポケモン

 

 

使用感・苦手対面

 

2021年10月の新殿堂の大会で使用しました。2回のミニスカをトップ解決される不運もあり、全勝とはいきませんでしたが、さまざまなデッキに強く出ることができました。その後のフリー対戦でも高勝率でしたが、何より使っていて楽しい。

 

筆者はコイン運の悪さに定評があるため、コインの上振れは望めません。それでもドローがつながりやすく、理想盤面を築きやすいです。ピン差しのカードも多いため対応力も高く、多少不利になってもプレイングを間違えなければ激戦に持ち込めます。

 

このデッキの苦手対面については、以下が主なものになります。

ベロリンガ入りのデッキ(鋼ラッキーなど)
②たねが殴れる超デッキ(特にナツメのケーシィ)
ピチュー(neo1)

 

①は嫌な相手ではありますが、絶望的ではありません。鋼ラッキーならベンチを呼ばれる心配がないので、逆にLOやエネ枯らしをしかけることができます。どうしてもくすぐりマシーンをかいくぐる必要が出てくるので、そこでどうか、といった相性です。

②は1ターン目にミニスカを決めることを最低条件として、ゴーストやコラッタを中心に応戦する苦しい戦い。ミュウツーが場持ちしない(エネループで確2)だけでなく、アンノーンが簡単に狩られるのが厳しいところ。

マジピチ。2回パチパチされただけでアンノーンWANT(=サイド4枚)を持っていかれてしまい、びくんびくんしていた血管が萎えてしまうのでどうにもなりません。見かけたら確実に1発で仕留めたい(なおコイン)。

 

 

没デッキ紹介

カツラとミュウツーの組み合わせは以前からいろいろと構想を練っていましたが、とあるイベントで「カツラの奥の手」の活用を考える中で、方向性が一気に固まりました。カギとなったのは「カツラのギャンブル」、そして先述した「捨てる効果はメリットである」という考え方でした。

 

わるクロミュウツー

ポケスペのカツラは元ロケット団なので、わるいポケモンクロバットラインも違和感がありません。そのうえで、わるクロデッキの常識である「わるクロラインを温存する」を無視して、「わるクロラインを切りまくる」ことを前提に組みました。

戦略はごく単純。カツラのギャンブルやスパイ作戦で不要なポケモン・エネルギーを切りまくってドローし、おおかた引いたところで夜廃やタイムカプセルでわるクロラインを山に戻す、というものです。

逃げゼロのたねだけで組めるのでミュウツーが使いやすいうえ、マスターボールも効果的に使える――と思ったのですが、夜廃やタイムカプセルをキープしておくのが非常に難しいうえ、退化スプレーhyperも入らないことから最大打点が不足します。

普通の超軸わるクロのほうが強いよね、ということでこれは没に。

 

レインボートランス

次に考えたのが、草軸ながらレインボーエネルギーを活用してミュウツーの「エネルギーきゅうしゅう」を使い、フシギバナの「エナジートランス」で運用する古典的なデッキ。パーツは多いながら完成すれば強力なデッキで、ホウオウ(PF3)にエネを移して110点!という芸当ができるのが魅力です。

22/2/19追記:レインボーエネルギーはneo1以降エラッタがかかり、テキストが、”場にあるかぎり、「草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼」の中のどの「色(タイプ)」のエネルギーとしても、あつかわれる”に変更となったため、レインボーバーンの打点は最大110点になるようです(出典:「ポケモンカードトレーナーズ」Vol.5,p.58)

 

「積極的に捨てる」以外に原典からのひねりはありませんが、フシギバナ(レッド)と協力して戦う中で伝説のとりポケモンが降臨する――というポケスペ原作の展開に近いことから検討していました。

しかし、レインボーエネや逃げコストの面から、1ターン目にミュウツーを起動できる確率が高くないうえ、ミュウツーが主役にならないため没にしました。

 

 

おわりに

長々とポケスペ原作との関連について書いてきましたが、このデッキを実用化していく過程では、次のカツラのセリフが大きな原動力になりました。

フフ…久しぶりになつかしい言葉を思い出したよ。かつて私もあこがれ、目指していた言葉を。「ポケモントレーナー」……。ポケモンと信頼し合い、共に生きる者…。レッド、まさしくキミのことだ。

(『ポケットモンスターSPECIAL 3』,小学館,1998,p.123)

 

当時、私はあまり旧裏を楽しめなくなっていました。

カードプールが限られた旧裏では、どうしても一線級のカードが固定化されてきてしまいます。その中でマイナーカードを使うのは楽しいものですが、メジャーカードでさえ採用にダメ出しを受けるうちに、なんだか自分で考えてデッキを組む気力がなくなってしまいました。

でも、先のカツラのセリフで気づかされます。「このカードはきっと活躍する」という信頼「このカードで負けても本望だ」という覚悟も自分には欠けていたのです。

 

原作のカツラは、自らが生み出してしまったミュウツー「ともに死ぬ」つもりで突き進んでいましたが、ミュウツーの捕獲を機に「ともに生きる」方向へ大きく転換します。ボールに収まったミュウツーと目を合わせ、両者の信頼関係が芽吹くとともに、リスクを背負って生きる覚悟を決めた名シーンです。

 

さて、先ほどあえて「ダメ出し」と書きましたが、他のプレーヤーからのアドバイスは、その通りにするかどうかはさておき、ブラッシュアップに役立つものです。あくまで一意見、と私も割り切っていたつもりでしたが、当時は信頼と覚悟が不足して弱気になっていたようです。

 

このデッキの初陣となった先述のSMB10月予選では、残念ながら予選通過はできなかったものの、みなぎる自信のもとにプレイできていたこともあって、とても楽しかったです。負けも悔いのないものでした。

原作のカツラに重なる、自分を原点回帰させてくれたデッキとして、今後も大事に使っていきたいと思います。

 

 

でもコインは………今日も裏!

 

This is MAKURAGI!!!

 

 

(おわり)

 

デッキレシピ:マチライグドラ

かつて開催されたポケモンの大会「ニンテンドウカップ’99」にちなんだ特殊レギュの旧裏イベント、「旧裏ニンテンドウカップ’99」で使用したデッキの紹介です。

 

特殊レギュの詳しい内容については下記の記事を参照してください。ざっくりいうと、

●各殿堂で殿堂ランクが設定されたことのあるポケモンの使用を禁止
●トレーナーの殿堂ランクは計4点まで
●殿堂ランク付トレーナーは各2枚まで

というルールです。

note.com

 

 

※環境読みから書いているので、デッキレシピだけ見たい人は目次から飛んでください。

 

 

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今回の禁止カード一覧(画像はうっどさんのnoteより引用)

 

環境考察

大会コンセプトとして、マイナーポケモンの活躍を期待しているので、普段のレギュレーションでは採用しにくいカードを使いたいとまず考えました。

とはいえ、大会形式ですし、有力なデッキを持ち込めるよう、まずは簡単にレギュレーションの影響を整理してみます。

 

①特殊能力は使い放題

まずこれです。ベトベトンピチューもいないので、特殊能力は使い放題です。突風や逆指名が「同名カード2枚まで」のルールで少ないのも追い風。ただ、有力な特殊能力もちのポケモンは今回軒並み禁止なので、禁止されていないポケモンのなかから優秀な特殊能力もちを探すことになります。

すぐに浮かんだのはフシギバナ(エネジートランス)、エンテイ(おたけび)、次にライコウ(いなびかり)でした。ただ、成立したら形勢が大きく傾きかねない、という特殊能力はそんなに思い当たらなかったので、自分が特殊能力を使わなくても有力なものが対策できていればいいかな、と考えました。カツウィン単なんかはもともと殿堂の自由度が高いので有力ですね。また、スライが使えない環境のためグドラも普通に強く、対策がしづらいといえます。

 

②超デッキが組みにくい

今回はミュウやバリヤードといった、超デッキの厄介なポケモンたちが使えません。そればかりでなく、使用頻度の高いゴースト(ゲンガー)ラインが恩恵を受けにくく、組めるもののいつもの劣化版にしかならない状況です(ex.わるクロゴース)。

「このレギュだから強い」というのを使いたいので、自分は超デッキ回避。仮に無理して超デッキを用意したとしても、参加者みんなが同じように考えているとは限らないので、どこかで力負けしそうに思いました。

 

③速攻がしづらい

2エネ40点。

2020年に多くの旧裏プレーヤーが試行した、速攻火力のラインです。今回のレギュではこのラインを出せるカードを無理なく組み込むのが難しい印象で、序盤2ターンの速攻で盤面を支配しにくるデッキは少ないとみました。

イーブイ(プロモ)も禁止なので、カスミウィニーを除けばワンキルも仕掛けづらく、グドラやフシギバナなどの長期戦志向のデッキが多く予想されます

その中で、②もふまえて有力なのがニドランフレンズ。わるクロ、超タイプといった天敵がいないうえ、殿堂上限が4点で鋼タイプも入りづらい環境で、大きな活躍が見込めます。第一候補。

 

ハンデスは疑問符

ロックができないならハンデスをすればいいじゃない――と言いたいところですが、殿堂上限が4点かつミニスカが3点なので、トレーナーには頼りにくい状況です。②の状況も利用して、ミュウツーWANTでミニスカを使うことも一瞬考えましたが、ポケモン回収も殿堂付きのため劣化版にしかなりません。

となるとポケモンハンデスをするわけですが、マチスのイーブイ~サンダースロケット団のおねーさんがいないと中途半端。ヨルノズクについてはカツリザノズクが有力ですが、グドラが一定数いそうなので選べませんでした。

 

使うデッキは……

以上から、使用デッキは3択に絞りました。

A:攻め倒すならニドランフレンズ

B:炎を恐れないならフシギバナ

C:ミラーで勝てるならキングドラ

Aはミラー相手の有効札を探しつつ、B・Cのような高耐久の突破を検討する必要があります。ディフェンダー3枚以上の採用は確定として、良案が浮かびませんでした(じゃんけんで全勝するくらい?)。

Bは相棒次第で炎相手もなんとかなるのですが、ミラーが大変。また、良くも悪くも普通に強くできるので、マイナーポケモンが入ってきませんでした。私の参加方針からボツに。

Cは雷グドラでミラー対策ができます。ただ、水グドラでないと炎デッキ相手に強く出られない(グドラ以外の水アタッカーがいない)ので、カツウィンが厳しそう。

 

ここまでは考えていたのですが、カードを触る時間が取れないまま大会前日に。グドラ、フシギバナは私が得意にしていて読まれやすいので、本当はAを組みたかったのですが、ニドランはこれまで組んだことがなかったので、経験値の低さから見送りに。

 

直近に組んでいた雷グドラをアレンジしてCを作ることにしました。

 

 

コンセプト

グドラミラーに強い雷

まずこれです。先述の環境読みに加え、グドラと組ませるとだいたいデッキとして戦えるようになるので、グドラデッキは多いと予想していました。

雷グドラといえばスピードボールのビリリダマで1ターン目から殴る型が強く、タッツーをプラパ込みでワンパンできるため、今回もその型の応用でいこうと考えていました。

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直近に組んでいた雷グドラ

 

今回はエネエネマルマインが禁止なので、進化先はわるいマルマイン……と、SMB11月予選で使用したスライに似た戦術を想定して調整を進めてみましたが、頓挫。エナジーボムで雷エネ2枚を飛ばす先、わるいマルマインの逃がし方について明快な答えが出せませんでした。

そんな中で目に留まったのがマチスピカチュウライチュウです。マチスピカチュウは1エネ打点こそないものの、トラッシュからのエネ加速が可能。マチスライチュウは2エネ30点のメガトンパンチがあり、プラパ込みでシードラをワンパンできます。

 

HP100圏の相手への対処

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グドラにない高火力を実現

マチスライチュウがこの環境でえらいのは、4エネ100点の10まんボルトをもっていること。エネをすべてトラッシュすることになりますが、この環境で厄介なフシギバナキングドラ、カツラのウィンディを一発で沈められます。これらのポケモンは1体落とすだけで戦況が大きく変わるため、大きなコストでも払う価値があるでしょう。

グドラデッキは逃げエネを考慮しなければ基本的にエネが余るので、中盤以降にライチュウを立ててじわじわエネを貼っていっても十分な脅威になります。

 

長期戦に耐えうる耐久力

今回のルール上、ポケセンが2枚しか入れられないのは不安要素です。ただ、強い逃げゼロが少ない環境なので、ライコウのいなびかりとワープポイントをうまく使えばそこまで長期化させずにサイド6枚をとり切れるのではないかと考えました。

いいきずぐすりはライチュウライコウに使いやすく、また、手負いのライチュウがいる状態でのグドラ回復に便利です。エネ消費が痛いのでモーモーミルクのほうが相性はいいのですが、グドラに頼る展開になった場合に計算できるのは強みなので、ここは迷いませんでした。

 

その他有力デッキの対策

ニドランフレンズは30打点×2で倒しやすいのですが、ディフェンダーの存在がネック。そこでライコウに加え、ワープポイントを2枚採用することで、ディフェンダーのないベンチのフレンズを狩っていく戦術をとれるようにしました。

カツウィンは当たると困る相手。水のアタッカーがグドラだけなのが厳しいですが、相手に逆指名が2枚しか入らないのでチャンスはありそうです。カツウィンにプラパは入りにくいので、ぎりぎりで受けつつグドラやライチュウの完成を待つ感じになります。ベンチに早くから後続を置かないデッキの特徴上、カツウィンを突破しさえすれば次にほのおのあらし120点を用意するまで時間がかかるので、そこでグドラの30点×2(弱点)で逆転していくイメージ。正直当たらなくてよかった。

エンテイはうまく回されたら負けでいいです。しかしミニスカを引かれなければだいたい受けきれるので、グドラ主体で戦えば問題ありません。

 

以上の検討を踏まえて、下記のデッキになりました。

 

 

デッキレシピ

4 タッツー(neo1)
3 シードラ(neo1)
3 キングドラ(neo3)
2 マチスピカチュウマチス
2 マチスライチュウマチス
1 ライコウ(neo3)
1 エイパム(neo1)

 

4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 クルミ
4 マサキ
1 スパイ作戦

 

3 ポケモン交換おじさん
1 礼儀作法
2 夜の廃品回収
2 ポケモンぎゃくしめい☆☆☆☆/★★(今回は計2点)
2 ワープポイント
2 ポケモンセンター☆☆(今回は計2点)
1 いいきずぐすり
3 プラスパワー
1 エネルギースタジアム

 

10 雷エネルギー

 

ーーーーーーーーー

杉並殿堂2021 ☆:6/8
新殿堂 ★:2/8
旧裏ニンテンドウカップ'99 :4/4 OK

 

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マチライグドラ

 

大会結果

8人のトーナメントで3勝して優勝できました!

 

●初戦:vsうっどさん

フシギバナ+キョウのベトベトン。こちらが5ターンほどはかせを引けずにドローゴーする間に、フシギバナが立ち、場のエネルギーも潤沢に。長い長い我慢の時間です。ようやくグドラが立ってからはだくりゅうでキョウのベトベトンに圧力をかけつつ、ベンチのライチュウを育成します。その後、逆指名+10まんボルトフシギバナを落として戦況が一変。相手のドローも止まって場が間に合わず、サイドをどんどんまくって勝ち。相手のコイン運に助けられてなんとかライチュウが間に合いました。

 

●2戦目:vsかかしさん

ホウオウ+リザードン。こちらはそもそも3ターン目まで殴れないうえ、初戦に続いてドローゴー状態。相手はもえあがるでエネをためつつ、リザードンへの準備を進めていきます。無理してグドラを立ててホウオウに圧力をかけるも、返しのゴッドバードでグドラが飛ばされ大ピンチに。しかしここでオーキドを引き当て、再びシードラキングドラで粘る展開に。その後、グドラで相手のリザードを逆指名+プラパ×2で落としたところから優勢に転じ、引きとプレミに助けられつつ時間切れでサイド差勝ち。

 

●3戦目:vsジャストさん

ミュウツー+グドラ。私の環境読みと同じく、ニドラン想定で組んだ超デッキのようですが、グドラのおかげで有利対面。また、相手の便利要員アンノーンYもHP40なのでサイドを稼げそうです。序盤はピカチュウのたいでんからライチュウがメガトンパンチを繰り出していく理想展開。ただ、手札のドロソに不安があり、ミュウツーも堅いので、まずはタッツーアンノーンYを呼んでプラパをまじえつつ積極的に落としていきます。ところが、サイドも含めてまたもはかせが引けず大ブレーキに。超リムでライチュウが止められ、グドラでミュウツーを受け続ける苦しい展開。しかし相手にプラパが入っていないのを見切ってだいぶターンを稼げました。その後、相手はグドラが立つも、こちらはライチュウにエネがたまって10まんボルト。その勢いのまま勝ちきりました。相手のリサイクル4裏はさすがに同情。

 

コイン運こそよかったものの、とにかくはかせが引けない日で、3戦とも何もできないターンが結構ありました。グドラの粘り強さ、マチスライチュウの破壊力が功を奏しての優勝です。マチスライチュウがしっかり活躍したので組んだ甲斐がありました!

 

 

おわりに

マチスライチュウは、以前KGさんが「マチライチュウは実質スライ!」みたいなことを言ってデッキを組んでいて、いつか使ってみたいなと思っていました。逃げ2はネックですが、2エネ30点と4エネ100点の両刀はやはり強かったです。ただ、通常のレギュレーションで雷グドラに採用するなら、ビリリダママルマインが第一選択。エネエネで2ターン目からだくりゅうが打て、たつまきも狙っていけるのは大きな点です。とはいえ、マチスライチュウはグドラの弱点である火力を補えるという点で、少なからず採用の余地があるのではないかと思います。

 

聞くところによれば、本家のニンテンドウカップ’99でもライチュウが活躍していたとか。そして今日のTwitterではライチュウがトレンド入り(ライチュウVの情報公開)しており、偶然にも時流に合ったデッキとなりました。活躍させることができてよかったです。

 

 

〈イベント総括はこちらからどうぞ〉

note.com

デッキレシピ:エリウツ単~奥の手はドロソの扉をひらく【+イベントレポ】

今回は、研究チーム内で行われた特殊な団体戦、「Team Unified 旧裏」で使用したデッキと、イベントの模様を簡単に紹介します。

ざっくりとルールを説明すると、
●3対3のチームに分かれ、各チームで4デッキを作り、4戦戦う
チーム内で同じカードは4枚までしか使用できない

 

さて、あなたならドロソや夜廃をどう工面して4デッキ作りますか?

(奥の手デッキレシピのみ興味のある方はデッキレシピまで飛ばしてください)

 

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詳細ルール

■基本ルール
2チームに分けて、各チーム4デッキ、チーム全体で同名カード4枚制限
※ひかるポケモン、ミラクルエネルギーは全体で1枚
(一つのデッキ組むのと同じ)
■「新殿堂ランク」準拠
■対戦形式
先鋒vs先鋒
次鋒vs次鋒
副将vs副将
大将vs大将
の4戦。全試合観戦あり。
■各チーム、各試合に1回3分作戦タイムをとることができる。
■各試合後、次の戦いに出場する選手をチームで相談して決める。(10分)

■先攻後攻は先鋒次鋒(副将)は普通に決める。大将戦(副将戦)はそれまでの数を参照して均等になるようにする
■勝ち数2対2になった場合はチーム内のデッキの中からそれぞれ一つ選び代表者同士による最終決戦

★追加ルール
■チーム合計基本エネ各色合計20枚まで
■それに加えて殿堂ランクも変更
エンテイ(neo2)0→1
ミニスカート2→3

(企画者のymirthemirさんより)

 

 

環境読みと作戦会議

抽選の結果、下記のようなチームに。

Aチーム:ymirthemir、あさりのみそしる、まくらぎ

Bチーム:ぷー、うっど、マコマート

 

企画者のymirthemirさんと同じチームということで、この特殊環境での強いデッキや、作りやすいデッキがymirthemirさんからどんどん挙がってきます。

 

ドロソからみる

4枚しか使えないこのルール下でまず考えなければならないのはドロソ。ymirthemirさんはドロソ構築から以下の4タイプを挙げました。
①オーキド、ウツギ、クルミメインの構築
②大暴走、エリカ、マサキの転送装置メインの構築
③カツラの奥の手、マサキのメールメインの構築
④その他(エンテイロケット団の実験、マチスの交渉など)

 

①②が通常のレギュレーションでもよく見るドロソ構築ですね。マサキ、ウツギ、スパイ作戦などはそれぞれに配分するイメージ。特殊ルール下だからこそ、普段と近い構築は勝ちやすく、そういうデッキをいくつ用意できるかがカギになると思われます。また、そういった配分にする場合、①のデッキの勝利は絶対です。

 

環境からみる

今回のルールでは、ドロソがほぼ不要かつ相手のドロソ不足を突けるミニスカエンテイがかなり強力です。特別ルールで組みにくくはなっていますが、ミニスカ抜きでもエンテイがやばい。特に相手にはミニスカエンテイの開発者・ぷーさんもいるので要警戒です。

 

ということで、「ミニスカエンテイ」と、エンテイに強い「50点以上出せる水デッキ」が環境に挙がります。水デッキは、後述のオーダイルを除くとカメックス(使いづらい)やキングドラ、わるいゴルダックなどが挙がり、雷タイプも役割をもてそう、というのがymirthemirさんの読み。そうなると、負けが許されない①のデッキでは雷グドラが有力です。

 

また、②の大暴走軸では、まずオーダイルと鋼ラッキーが浮かびますが、ミニスカートで事故らせにくるのが目に見えている状況では、デッキの出し所を間違えると何もできずに負けてしまいます。ここは決めるのが難しそうです。

③はエリカのお付きが使えるエリウツが圧倒的に組みやすい一方、読まれやすいデッキでもあります。何よりエンテイに弱い草デッキということが気になりますが、「相手のエンテイデッキが出てから出す」ということにして私が担当することになりました。

 

デッキレシピ

2 エリカのマダツボミLv.15(ジム拡張1)
2 エリカのマダツボミLv.13(ジム拡張1)
2 エリカのウツドン(ジム拡張1)
2 エリカのウツドン(エリカ)
3 エリカのウツボット(ジム拡張1)
2 コラッタ(R団)
1 ポリゴン(R団)
1 マチスオニスズメ(ジム拡張1)
1 ピィ(neo3)☆/★★★

 

3 カツラの奥の手
2 カツラのギャンブル
3 マサキのメール
1 カスミの勝負
2 スパイ作戦
1 カードめくりゲーム

 

4 エリカのお付き
1 礼儀作法
1 マスターボール
1 ポケモンいれかえ
2 夜の廃品回収
1 パソコン通信☆☆/★★
1 ミニスカート☆☆☆☆/★★(特別ルールで今回★★★)
3 学習装置
2 プラスパワー
2 きのみ
1 ナツメのサイキックコントロール
2 ラジオとう


11 草エネルギー

ーーーーーーーー

杉並殿堂2021☆:7/8
新殿堂   ★:8/8

 

 

デッキ解説

クイズ奥の手三銃士(タコトプスさん、なふださん、七男さん)のデッキを見ていて、カツラの奥の手が楽しそうだなーと思っていたので、今回作れてよかったです。エリウツと組み合わせているなふださんの構築を参考にしつつ、この環境で生きる形を模索します。

 

奥の手は序盤だけ使いやすい

エリウツ単にしたのはこの理由からです。お付きで不要札を戻し、エリウツラインをもってきて空いているベンチに出す――奥の手が最も成立しやすいパターンです。しかしこれはベンチが埋まる中盤以降は実現しにくく、「奥の手を使わないと展開できないから無理して奥の手を使いにいく」という歪んだプレイングが必要になってしまいます。そうなってしまうと本末転倒、盤面の最善手にアクセスしづらく、結局勝ちにくいです。とはいえ限られたドロソなので、その欠点を受け入れつつ、緩和させるための札を考えます。

マサキのメールは奥の手より使える場面は多いですが、結局手札が合計4枚にしかならないので、ほしいカードがそろいづらく、思ったよりも輝きませんでした。

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ベンチが埋まってくるとドロソが使いにくくなる

 

奥の手があれば捨てることがデメリットにならない

今回の一番の発見は「カツラのギャンブル」です。

旧裏は意外にも選択して捨てるカードが多くありません。代表的なカードであるスパイ作戦は捨てた分だけ引かなければなりません

カツラのギャンブルは一見運要素カードで、コイン裏だと悲惨なように思われがちですが、手札にほかのドロソがあるときに使えばリスクはかなり小さいです(ex.どうせオーキド使うけど欲張ってパーツ探したい)。このデッキにおいては、「コイン表ならラッキー、裏なら奥の手が使える」というように手札を調整できます。コイン裏なら引かなくていいので(引けないんですが)。

このデッキは切っていいカードが多いというより、切っていかないと回らないので、積極的にこれを使っていきます。切りたいカードが多いデッキではなお輝く可能性を秘めていると思います。

なお、カツラのギャンブルしかドロソが手札にないときは当然賭けるしかありません。単体ではきわめて途切れやすいドロソなので、過信しすぎず枚数は絞りましょう。

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2段構えのズルいギャンブル

 

 

ラジオとう+コラッタで不要札を手札に入れない

私の十八番不要札や、いずれ必要になる札をサイドに落とす&戻す組み合わせです。

このデッキでは少しでも効率よくドロソが使えるように採用。サイドに落ちたミニスカもなるべく早く救出したい。

たねポケモン不足もあり、コラッタは手厚く2枚採用で、それに伴いカードめくりゲームも挿してみました。が、コラッタとラジオとうがそろわないと安全に使えないので、ほか3デッキとのカードの兼ね合いがなければほかのカードにしていたと思います。

 

オーキドなしはつらい

結局これです。ミニスカートやプラパを引っ張ってきやすいようにパソ通を採用していますが、ドロソで困ったときのパソ通→奥の手が弱すぎます。オーキドは近年、リソース切りすぎ&山掘りすぎということで重用しないプレイヤーもみられますが、やはり7枚の手札は組み合わせや継続性において強いです。

今回のデッキでは、ピィを除けば常に5枚以下の手札を前提に戦うことになりますが、まあ手札がそろいません。引くために切ったカードと合わせたかったカードをデッキから引く――なんてポーカーみたいなことがよく起こります。通常のルールでは奥の手を「5枚目以降のオーキド」としてとらえるのが無難かなと思います。

 

ピピピのピィは疑問札

ピィは、ハンデスに強く、不安定なドロソ構築を支えるカードとして採用しましたが、ピピピで引いた7枚がかえって邪魔に。メインドロソの奥の手、メールを使うために、結局手札を減らす動きをしなければなりません。前述した本末転倒の動き。

また、何度もピピピを使うようでは攻撃機会が減り、殴り勝つコンセプトのこのデッキではかなり後手を引いてしまいます。とはいえ、このルール下ではハンデス警戒もあり、仕方ない採用だったと思います。ピッピッの方のピィも検討しましたが、こちらは逆に少なすぎました。

 

その他解説

エネエネなしのオーガニックなエリウツなので、場のエネが枯れたらジリ貧です。学習装置はそのための3投で、マダツボミは「ようぶんきゅうしゅう」のほうも採用。

万一エンテイと当たったときのために、当初はエリカのミニリュウも採用していましたが、結局勝てなさそうなので抜きました。ポリゴンはymirthemirさんのアイデアで、テクスチャー1で相手の弱点を草にして、はっぱカッター50点×2でのワンパンを狙います。

マチスオニスズメは嫌な対面を遠ざけ、また2エネ40点の構えを見せられる逃げゼロ。この環境で強力なグドラが来た時に、控えているだけでポケセンを切らせる狙いです。

 

イベントの結果と感想

結果

チームは0-3で大敗。見どころは多かったですが、相手チームの引きやコインが控えめに言って神ってました。

私は相手チームぷーさんのギャンブラーエンカルが第2戦で出た後、3戦目に出ました。

相手はマコマートさん自慢のわるオニわるクロ。中盤までこちらが優位に進めましたが、ミニスカがうまくきまらず、しかもすぐにドロソを引かれて悪エネ+わるクロの大打撃を食らうなどしているうちにジリ貧に。ほぼ原型通りの①タイプのデッキの強さを見せつけられての敗北でした。

デッキはある程度想定通りに回りましたが、ドロソの限界内でシンプルに組んでいるぶん、デッキパワー自体が不足していたなという感想です。相手がみんな逃げゼロではエリウツで足止めもできないし。

 

イベント感想

独特のルールで凝り固まった思考がほぐれ、新しい扉を開くようで楽しかったです。

一方、前回に引き続いての団体戦でしたが、今回はカードプールも共有する関係上、いっそう団体戦ならではの難しさも感じました。少しこれを深堀りして書いておこうと思います。

 

まず、一人で責任をとりきれないこと。一人で戦う場合は、実験的なデッキを使って、「これで負けたら仕方ない」と割り切って戦うこともできますが、団体戦ではそうはいきません。

「それのどこが強いの?」「どうやって勝つの?」「こっちのカードのほうがいいよ」—―これが普段外野からもらうアドバイスであれば、気にせず我が道を行ってもいいのですが、団体戦では自分の負けがチームの負けなので、構築段階である程度メンバーの理解を取り付けなければなりません。

 

これはすなわち、自分の得意とするプレイスタイルをとりづらい場合がある、ということです。チームの勝利のために、メンバーとあれこれ議論するのは楽しいものですが、各プレイヤーの価値観は異なるため、かりそめにでも「共通見解」を作る作業は大変で、譲歩も必要になってきます。今回はカードプールを共有するのでなおのこと難しかったです。

 

一方で、「言われたようにやってみたら理由がわかった」「あのプレイヤーのプレイングが少し理解できた」という発見もあったのは収穫でした。これもまた、凝り固まった思考をほぐしてくれるので、よさそうなアドバイスは実践してみることが大事ですね。それをちゃんと使いこなせるか、というのは別の話ですが・・・

 

ただ、カードゲームにおける最適解というのは様々な要素で変わると思いますし、団体戦でなければ、自分が「これだ!」と信じたカードで戦うのが一番だと思います。だってそのほうが楽しいから。結果がついてきているのならなお素晴らしいことです。

 

私自身、今回の団体戦で脳をかなり刺激されてデッキの組み方が変わりました。ドロソ配分や、アドバイスでもらった発想のほか、ふと「これ入れたほうが楽しくない?」と思ってコインゲーのカードを入れてみたりとか。コイン運悪いのにね、HAHAHA!

 

(おわり)

 

参加者記事一覧

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