旧裏レポパ

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ポケカ旧裏用ブログ

デッキレシピ:カニカメカニズム

特殊能力「あまごい」で、1ターンに際限なく水エネルギーを貼らせてくれるカメックス。エネ加速手段に乏しい旧裏において、カメックスが立って一気に盤面が完成するさまは圧巻というほかなく、その瞬間に勝負が決することさえあります。

 

しかし、カメックスのカードパワーを理解しながらも、カメックスデッキはおおかた解答が出尽くした感があり、なんとなく自分で作るのは気が引けていました。

 

 

そんな私に火をつけたのが、

カニでした。

 

 

 

 

 

 

 


デッキレシピ


2 クラブ(拡張シート赤)
2 キングラー(拡張シート緑)
3 ゼニガメ(イントロ)
2 カメール(第一弾)
2 カメックス☆☆☆×2/★★★★×2
1 ピィ(プロモ)★★

 

4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 エリカ
3 クルミ

 

1 礼儀作法
3 ポケモン交換おじさん
3 ポケモン育て屋さん
3 夜の廃品回収
2 超エネルギー回収
1 ワープポイント
2 ポケモンぎゃくしめい☆×2/★×2
1 まきちらせ!ベトベトガス
2 プラスパワー
1 ディフェンダー
1 エネルギースタジアム

 

13 水エネルギー

 

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杉並殿堂☆:8/8
新殿堂 ★:12/8

 

 

カニとの出会い

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左:新種のチビカニ / 右:新種のゴツいカニ

 

はじめてカニを知ったのはいつのことだったか、正直よく覚えていません。20年近く前に旧裏で遊んでいた時は、古代種(化石)のカニしか知らなかったように思います。

 

新種(拡張)のカニは当時も稀少でしたから、はじめて目にしたのは旧裏を再開してから、たぶん「ひかるカブトプス」に水エネを貼るだけ貼ってなお火力不足で敗戦したオフ会の帰りだったのでしょう。

 

旧裏の水ポケモンの火力が乏しいことを嘆きながら、「旧裏 水」で画像検索していたところ、やたらゴツいカニが目につきました。

 

「もろばバサミ」80点!?

 

ゴツい。
しかし4エネ貼れるのか?

「しおまねき」は軸にできないだろ……
HP80もある!…でも逃げ3は重いな……

 

ひかるカブトプスのロマンにやぶれた帰りだったので、そのときはあまり本気で検討しませんでした。

 

とはいえ打点80は、現在の旧裏環境でほぼすべての1進化を落とすことができ、プラパをつければ2進化や壁ポケモンでさえワンパン可能という高火力。他タイプでもなかなかありません。

 


なぜカニなのか

 

カニを考えたきっかけ

デッキを組んでみるきっかけとなったのは、杉並殿堂の調整でワニカメデッキが現実的でなくなったことからオフ会で頻発していた、「カメックスの新しい相方」論議でした。

 

古来からの相棒フリーザー、新時代のパートナー・スイクン、評価が高まりつつある壊し屋ヌオー……

 

どれもカメックスと組み合わせると強いですが、私の中でどうもすっきりしない印象でした。採用理由として、結局は「倒れると困るカメックスで殴るリスクを避けたいから」という消極的な理由が大きいのです。

 

 

カメックスの強さと弱さについて

ここで、カメックスの強さと弱さを整理してみます。

 


カメックスの強さ
①圧倒的エネ加速力
②自身が打点40~60で調整でき、1進化以上をほぼ確2で落とせる
③進化前カメールでもある程度の打点を出せる

 

カメックスの弱さ
①2進化かつカメ最大2枚という展開の難しさ
ベトベトンで「あまごい」が止まる
③雷弱点
④カメが倒れると後続が途切れやすい

 

まず、弱さ③を補うためにカードを割いても益が薄いので、弱さ①を補うようにドロソやサーチを充実させる構築が一般的です。私もそれが得策だと思います。

 

さて、既存のカメックスデッキでは、強さ①を生かしつつ、弱さ④を相方を立ててカバーするという方向性がほとんどかと思います。たしかに、弱さ④を補って殴り合い上等に持ち込めば、盤面で優位を築きやすいカメ側が有利かもしれません。

 

しかし、盤面を整えるためにリソースをすり減らした状態において、倒されるたびに3~4エネ貼って確2の攻撃を続けるのは果たして得策か?という疑問も生まれます。

 

確2の壁を立てている間にベンチを育て、盤面の雲行きを変えていく力をもったデッキは山ほどあるはずです。押し負けないにしても、リソース切れでサイドを取りきれずに負け、というケースは極力避けたいところです。

 

 

積極的な打点強化としてのカニ

そこで注目したのが、強さ②の打点をさらに強化することです。「1進化以上ほぼ確2」というのは強さではありますが、裏返せば「確1ではない」という弱さになります。

 

既存の相方たちの打点はカメックスの最大火力に劣り、また70点出せるわるいカメックスは多くのデッキで育て屋必須と、狙って立たせにくい状況にあります。つまり、強さ②は積極的には強化されていない要素ということになります。

 

そこで、カニことキングラー(拡張シート緑)の打点80が輝き始めます。先述のように、2進化や難攻不落の壁ポケモンさえも、プラパ込みで確1圏内になるのが打点80です。

 

そして、このデッキで確1の手を作る一番のメリットは、終盤ではなく序盤にあります。「中盤で相手に押し返されないよう、序盤で相手エースやエネルギープールを落とし、優位性をさらに高められる」こと、それがカニを組み合わせることで生まれる強さだと思います。

 

 

 

デッキコンセプト

 

具体的な展開を解説します。

 

まず、なにがなんでも2~3ターン目にカメックスを立てます。
立てたら手札をぶんまわして水エネをなるべく場に供給します。

 

ベンチでは並べすぎ育てすぎに注意し、逆指名で相手ベンチのエースやエネプールを呼び出してキングラーで狩ります。これが3~4ターン目でできれば、相手の場のエネ自体が少なくなるので、キングラーが確1となる40点以上の打点はなかなか用意できないはずです。

 

仮にキングラーが落とされたとしても、相手バトル場にエネが集中しているので、カメックスで返せば相手の場のエネはほぼ枯れます。この盤面まで進めば、中盤は完全にこちらのペースにできます。

 

カニカメともに逃げ3ですが、超エネ回収や夜の廃品回収+ドロソで容易にエネが手札に返って来るので、対面によってはカメ-カニをスイッチして戦います。逃げからの逆指名という動きもさほど思いきらずにできます。

 

先にベトベトンを立てられたり、サイドにカメ2枚落ちとなったりした場合は「しおまねき」でのコイン加速に託すこともありますが……ダメもとです。また、意外とカメールの「からにこもる」が逆転を呼ぶことがあります。

 

 

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打点を調整できるカニカメカニズム

 

 

個別解説

 

カニライン

カメさえ立てばサイドを取りやすくなるので、ミニマムに2-2です。新種のチビカニはとにかくかわいいのですが、HP40と古代種よりもHPが低いのがネック。しかし逆指名を念頭に置き、逃げ1を重要視しています。

 

ゴツいカニの「もろばバサミ」は、次の相手の番に受けるダメージが2倍(技に限らず)というデメリットがありますが、2倍計算よりもディフェンダーの減算の方が先のようです。うまく貼れると強いですが、ほかに優先パーツが多いデッキなのでディフェンダーは気持ち程度の1枚採用に。

 


カメライン

3-2-2。ゼニガメは4枚が理想ですが、カメが1体立てばサイドにタッチできると考え、3枚にしました。相手のベトベトンより先にカメを立てることを重視し、育て屋は3枚入れています。

 

まきベトは先にべトンを立てられた場合に、撒いてからカメを立てることを目指すためのものです。環境によっては不要かもしれません。

 


ピィ(プロモ)

スターターならうれしいカード。
2ターン目にカメが立たなそうな場合は、前を逃がしてピィを使う動きに。あとはカメ不在時の急場凌ぎや、雷相手の気持ち程度のストッパーとしての活躍にも期待。

 


トレーナー

ドロソはエリカを入れるか迷いましたが、やはり4枚積み。パーツの組み合わせが非常に重要なデッキなので、相手の手札を増やしてでもこちらの手札の充実が優先されると考えました。

 

超エネ回収はオーキドで1枚切ってもいいように2枚採用。オーキドで切った水エネを一気に引き上げ、盤面を完成させるというのがなかなか爽快です。また、終盤に再度カメが立つときにあると大逆転を引き寄せられます。

 

 


使用感と弱点

 

うまく回れば、使っていてとにかく気持ちいいデッキです。「もろばバサミ」+プラパ+逆指名で2ターン目に大勢が決したりすると、その使用感がやみつきになること間違いありません。

 

ただ、一方でパーツが多く、ポケモンの数をギリギリまで絞っているので、不運なサイド落ちや手札事故に遭ったりするとつらいことになります。基本的には設計通りに回りますが、序盤に切ったキーカードが終盤に響いてくる、というのがどうしようもないところ。

 

また、前述したカメックスの弱点のうち、
ベトベトンで「あまごい」が止まる
③雷弱点
についてはさほど手を打っていません。これは仕方ないかなと。また、新種クラブ単でのスタートもありえるため、ワンキルされるリスクも上がっています。

 

弱点相手ではいずれも2ターン目が勝負になってくるので、それらしいカードが見えたら無理してでも2ターン目にカメックスを立てにいく感じになります。

 

ただ、旧裏はエネ加速が乏しいので、デッキコンセプトに書いた通り、立ち上がりで相手のエースやエネプールを狩ってしまえば、相手が返しでカニを落とすことは困難です。たとえカニが落とされたとしても、相手のバトル場にいる2~3のエネがついたポケモンをカメで倒せば、こちらが次のアタッカーを立てる方が早いでしょう。

 

 

皆さんもぜひ、このデッキでカニ缶、失礼、快感を味わってみてください。