ちょうちょさん🦋チームvsはちさん🐝チーム【イベントレポ+デッキレシピ】
前回の「激突!サワムラー杯」に引き続き、チャットで口走った思い付きをきっかけに企画がスタート。
今回はルールの縛りに加え、団体戦という試みをする都合上、所長戦同様に参加者を公募せずに研究チーム内で行いました。なかなかおもしろいイベントになり、また、オープンなイベントとしても実現できそうな手ごたえがあったため、イベントの模様をお届けします。
ルール
●参加者を2チームに分け、総当たりの団体戦を行う。全試合行い、勝利数の多いチームの勝ち。
●レギュレーションは旧裏新殿堂に準拠。その他、対戦中のルールはSMBに従う(ただし時間制限は設けず、加えて以下の特別ルールを適用する)。
【特別ルール①】🦋チームは少なくともキャタピー×2、トランセル×2、バタフリー×2をデッキに入れること。🐝チームは少なくともビードル×2、コクーン×2、スピアー×2をデッキに入れること。ただし、「キョウのビードル」等はカウントせず、中間進化は「ポケモン育て屋さん」で代用可とする。
【特別ルール②】炎ポケモンは禁止。
【特別ルール③】総当たり戦では、開始直前に互いのプレイヤーオーダーにより便宜上の試合順を決め、代表者のじゃんけんで勝ったほうからあらかじめ交互に先攻後攻を決定する。
●大会中のデッキ交換は認めない。
●デッキバレを防ぐため、未対戦の相手の試合は観戦不可。ただし、対戦済みの相手の試合は観戦してもよい。
チーム分け
参加表明は筆者を含む7名。奇数ですが、総当たりのルール上、メンバー数に差があっても成立します。どちらのチームがいいかそれぞれ希望を出した結果、4:3で全員の希望通りにチームが組まれました。
作戦会議・Tier1想定
初期構想
私がスピアーを使いたかったのは、まず先に使いたいデッキがあったからです。サカキのニドキングラインとスピアーを育て屋で組み合わせた「トキワのサカキデッキ」。ポケスペ読者ならおわかりでしょう。
しかし、よく考えてみると、今回のルールにおいては通常とは環境が大きく異なるため、決して強い構築にはならないと判断しました。考えたのは以下。
●フォレトスorハガネールで抵抗力の暴力を狙う
●毒をまきまくって入れ替え切らせてからのとおせんぼカビゴン
●エリカのウツボットと組ませた速攻デッキ
●フシギバナ+みねうちハッサム
今回のルールを生かしつつスピアーを活躍させるなら、上のほうから順に候補かな、と考えていました。事前の雑談ではやさしいレディアンと組み合わせた「きらめきハガネール」が強い、という声も聞かれましたが、たねのイワークがワンキルの餌食になりそうなのは懸念点。フシギバナは無難に強そうですが、私が得意としているので相手に読まれる可能性もあります。
相手に関しては、ほえらさんがエリウツ、うっどさんがミニスカ+鋼の暴力やカビゴンロックで来ると予想。マコマートさんはキャタピーを生かした速攻デッキ、あさりのみそしるさんはバタフリーの状態異常を生かしたデッキ、となんとなくのイメージです。
作戦会議
以上のざっくりした構想をチームメンバーに伝えたところ、ユミルテミルさんから鋭い環境読みが返ってきました。
まさかのフォレトスがTier1。
当然すべてのメンバーがフォレトスの扱いに通暁しているわけですし、これはさらに輪をかけておもしろくなってきました。
同じくTier1の鋼ラッキーに関しても、相手チームに使い手が何人もいて厄介です。しかし、これに関してはウソッキー1枚で対策になるだろうと判断。
作戦会議をしながらデッキを組んでいきます。私は鋼ラッキーとフシギバナで悩んだ結果、ミニスカを警戒してフシギバナに。ポケセン入りデッキの扱いには自信があるので、1勝が大事なチーム戦としても妥当な判断だったと思います。
試運転
構築後、そのままの流れでチームメンバーと試運転開始。手札を見せて最善手の検討をしたり、カードの差し替えを提案したりしながら、それぞれのデッキを仕上げていきます。
うまく回って試運転は全勝。しかし、このデッキならではの悩みから、ある決断をしてカードを入れ替えます。これが吉と出るか凶と出るか・・・
使用デッキについて
デッキレシピ:「遺跡のフシギデッキ」
2 ビードル(拡張シート青)
2 スピアー(neo2)
4 フシギダネ(拡張シート青)
2 フシギソウ(イントロ)
2 フシギバナ(第一弾)
1 フシギバナ(GBプロモ)
2 ストライク(拡張シート緑)
1 ハッサム(neo2)
1 ウソッキー(プレミアムファイル3)
4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 クルミ
3 マサキ
1 パソコン通信☆☆/★★
4 ポケモン交換おじさん
2 ポケモン育て屋さん
1 ワープポイント
1 ポケモンいれかえ
1 突風☆☆/★★
2 ポケモンぎゃくしめい☆☆☆☆/★★
2 夜の廃品回収
3 ポケモンセンター☆☆☆
1 ロケット団の爆発ジム
8 草エネルギー
2 レインボーエネルギー
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杉並殿堂2021☆:11/8
新殿堂 ★:6/8
高槻殿堂 OK(執筆時点)
基本的な動き
先発ビードルorフシギダネで毒をまき、エネを守りながらフシギバナを立てます。フシギバナを急いで立ててもエネが足りないので、まずは場持ちを意識しながら、ソーラービーム60点の圏内になるように打点調整をします。フシギバナが立つまでは、逆指名が使いにくくならないよう、ベンチに出しすぎないよう気をつけます。
ハッサムは相手が草メインでない限りなるべく出さず、常に「たねポケモンの確定40点」の選択肢をとれるようにします(ミュウ対策もふまえて)。ウソッキーでサイドがとれそうな場面でも、逃げ3がバトル場に残るデメリットと秤にかけ、長い目で判断します。
スピアーについて
スピアーは育て屋でしか立てられません。主に序盤、①ビードルスタートの場持ちをよくする場合、②押され気味なのをHP80+さんばいどくで食い止めたい場合に積極的に立てます。逃げゼロがスピアーしかいないデッキなので、スピアーが立つと重宝しますし、ポケセンを含めた生命力は相当なものです。また、ただでさえ手札に腐りやすいトレーナーが多いデッキなので、育て屋はなるべく山に戻さずに使ってしまいたいという意図もあります。
なお、スピアーを立てられない場合でも、ビードルがよく働きます。ビードル(拡張シート青)は生きるプラパ。毒も打点もあるので打点調整に便利です。
殿堂とその他のカードについて
殿堂ポイントは今回のルールで2点不足しています。先ほどの決断はこれです。殿堂カードよりもほかのカードのほうがこのデッキでは価値が高いと判断したためです。リムーブを4枚目のフシギダネに代え、フシギバナラインを盤石にしました。結果的には最初のターンにフシギダネを出せた試合はゼロでしたが、たねの多さが役に立った試合もありました。
入れ替え・呼び出し札については、状態異常等を考慮して、こちらのポケモンを下げられるカードが4枚ほしいことからこのようにしています。
また、オーキド入りでポケモンセンターを使うなら3枚は必須。爆発ジムは鋼相手でも打点調整がしやすくなる可能性があり、ポケセン入りのこちらのデメリットは少ないため入れ得です。マサキ代わりにパソ通もう1枚、という手も考えましたが、切っていいカードがそんなに多くなく、ある程度カードをそろえることも必要なので不採用。
ソーラーパワーのフシギバナは結果的には不要で、ひたすら邪魔でした。エナジートランスもソーラービームも基本戦略であるにかかわらず、そのラインで別のことをやろうとするのは欲張りだったかもしれません。
個人成績と試合内容
私個人では3勝1敗でした。相手チームにはキングドラかフシギバナを想定されていたようで、完全に読まれていました。しかし、おおかた思惑通り行き、スピアーの可能性と、フシギバナの強さを感じた内容となりました。
対ほえら戦
後攻6-1で勝利。ほえらさんはこちらの読み通りエリウツ。相手がエネやベンチ準備でもたつくうちに、こちらはスピアーのさんばいどくでブラッキーに圧力をかけます。その後、フシギバナが立ってからは突風や逆指名でエネつきのポケモンを狩り続け、最後はウソッキーがブラッキーの「だましうち」をものまねしてベンチを倒し、ゲームセット。理想的な展開でした。
対マコマート戦
先攻6-0で勝ち。マコマートさんはエネエネを使うノンオーガニック*1なフォレトスデッキ。エネエネでサイドが手に入り、フシギバナが立ってからはテンポよくサイドを取っていきますが、あと1枚のところで大ブレーキ。頼みのストライクがなんと最後のサイドカードに埋まるという展開で、相手のフォレトス2体とバリヤードorミュウorベイビィの壁が突破できません。「さんばいどく」での勝利チャンスを2回逃し、デッキ切れが迫るなか、まきびしを踏みまくりながらたねポケモンががんばります。最後はミュウとバリヤードが10点を受けきれなくなって勝ち。
対うっど戦
先攻2-6で負け。マリガン2回で4枚引かせてもらうも、うまく展開できずウツギ。引いた手札が、夜廃2、ポケセン2、逆指名2、交換おじさん1*2。数ターンエネも引けずに経過するうち、相手は鋼2枚悪2枚のついたわるいハッサムが降臨。こちらはなんとかフシギバナを立て、ポケセン2枚を使って延命しますが相変らずエネ不足。最後、ようやくオーキドを引いたため、ハッサムの「みねうち」でわるいハッサムのHPを削り(逃げで鋼を1枚切っていて、残りHP60なので20点入る)、次のターン、スピアーでさんばいどく表で撃破という筋が一瞬見えましたが、引いた7枚では何もできず負け。最後の手札には3枚のウツギが微笑んでいました。
対あさりのみそしる戦
先攻6-5で勝ち。相手はまったく対策していなかったプテラデッキ。幸い先攻でしたが、手札がかみ合わず足踏みをするうちにブラッキーを立てられてしまいます。こちらもプテラ前になんとかフシギバナを立てることに成功するも、エネが足りずに一方的に殴られる展開。ポケセンを使いながらフシギバナにエネをためる鬼辛抱が続き、プラパを引かれたらバナが倒されて負け、という場面もありました。転機は相手の残りサイド2枚でフシギダネを差し出したところ。相手が安全策をとったことでサイドが1枚手に入り、それが突風。決定機を伺っていたブラッキーをフシギバナで落として勝負あり。一気にサイドをまくって大逆転を決めました。
団体戦の結果と振り返り
団体戦の結果は、10勝2敗ではちさん🐝チームの大勝利!
ユミルテミルさんは4戦全勝という好成績でした。
活躍がみられたカード
なんといってもまずはフォレトス。
3勝を挙げたぷーさんは、フォレトス研究所の所長として面目躍如の活躍。マコマートさんは惜しくも勝利を挙げることはできませんでしたが、どの試合もギリギリの勝負に持ち込みました。
続いてはスピアーライン。スピアーが1エネで技を撃てるのはやはり大きく、また、コクーン(拡張シート青)が特殊能力で毒にできる点はあなどれない壁性能でした。
一方で、バタフリーラインはこの環境下でも目覚ましい活用はみられませんでした。さらなる研究が期待されます。
ルールについて
先攻後攻の交互決定については、チーム単位で先後の数を平等にするねらいがありました。しかし、先攻がわかっていることでスタートの幅が広がる場合があることから、大いに検討の余地があると思われます。
総当たりをやめるなら、先後だけが決まっている試合に、誰を出すかチームで決める、というのもルールとしてはありなように思います。そうなってくると後攻を受け持つ人、それ用のデッキ、などと別の広がりがありそうです。
おわりに
私は旧裏での団体戦は今回がはじめてでした。旧裏は競技人口が少ないこともあり、「環境読み」が個人単位で完結(ブログにまとめるなどして終わり)してしまいがちですが、明らかな味方のいる団体戦では複数人による勝つための環境読みが可能となります。そんな時間もなかなか楽しかったです。
今後も、さまざまな旧裏の楽しみ方を模索していければと思います。
参加者デッキリンク
うっどさん
ymirthemirさん
あさりのみそしるさん
jetome-magneton.hatenablog.com
ぷーさん
マコマートさん