旧裏レポパ

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ポケカ旧裏用ブログ

デッキレシピ:マチライグドラ

かつて開催されたポケモンの大会「ニンテンドウカップ’99」にちなんだ特殊レギュの旧裏イベント、「旧裏ニンテンドウカップ’99」で使用したデッキの紹介です。

 

特殊レギュの詳しい内容については下記の記事を参照してください。ざっくりいうと、

●各殿堂で殿堂ランクが設定されたことのあるポケモンの使用を禁止
●トレーナーの殿堂ランクは計4点まで
●殿堂ランク付トレーナーは各2枚まで

というルールです。

note.com

 

 

※環境読みから書いているので、デッキレシピだけ見たい人は目次から飛んでください。

 

 

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今回の禁止カード一覧(画像はうっどさんのnoteより引用)

 

環境考察

大会コンセプトとして、マイナーポケモンの活躍を期待しているので、普段のレギュレーションでは採用しにくいカードを使いたいとまず考えました。

とはいえ、大会形式ですし、有力なデッキを持ち込めるよう、まずは簡単にレギュレーションの影響を整理してみます。

 

①特殊能力は使い放題

まずこれです。ベトベトンピチューもいないので、特殊能力は使い放題です。突風や逆指名が「同名カード2枚まで」のルールで少ないのも追い風。ただ、有力な特殊能力もちのポケモンは今回軒並み禁止なので、禁止されていないポケモンのなかから優秀な特殊能力もちを探すことになります。

すぐに浮かんだのはフシギバナ(エネジートランス)、エンテイ(おたけび)、次にライコウ(いなびかり)でした。ただ、成立したら形勢が大きく傾きかねない、という特殊能力はそんなに思い当たらなかったので、自分が特殊能力を使わなくても有力なものが対策できていればいいかな、と考えました。カツウィン単なんかはもともと殿堂の自由度が高いので有力ですね。また、スライが使えない環境のためグドラも普通に強く、対策がしづらいといえます。

 

②超デッキが組みにくい

今回はミュウやバリヤードといった、超デッキの厄介なポケモンたちが使えません。そればかりでなく、使用頻度の高いゴースト(ゲンガー)ラインが恩恵を受けにくく、組めるもののいつもの劣化版にしかならない状況です(ex.わるクロゴース)。

「このレギュだから強い」というのを使いたいので、自分は超デッキ回避。仮に無理して超デッキを用意したとしても、参加者みんなが同じように考えているとは限らないので、どこかで力負けしそうに思いました。

 

③速攻がしづらい

2エネ40点。

2020年に多くの旧裏プレーヤーが試行した、速攻火力のラインです。今回のレギュではこのラインを出せるカードを無理なく組み込むのが難しい印象で、序盤2ターンの速攻で盤面を支配しにくるデッキは少ないとみました。

イーブイ(プロモ)も禁止なので、カスミウィニーを除けばワンキルも仕掛けづらく、グドラやフシギバナなどの長期戦志向のデッキが多く予想されます

その中で、②もふまえて有力なのがニドランフレンズ。わるクロ、超タイプといった天敵がいないうえ、殿堂上限が4点で鋼タイプも入りづらい環境で、大きな活躍が見込めます。第一候補。

 

ハンデスは疑問符

ロックができないならハンデスをすればいいじゃない――と言いたいところですが、殿堂上限が4点かつミニスカが3点なので、トレーナーには頼りにくい状況です。②の状況も利用して、ミュウツーWANTでミニスカを使うことも一瞬考えましたが、ポケモン回収も殿堂付きのため劣化版にしかなりません。

となるとポケモンハンデスをするわけですが、マチスのイーブイ~サンダースロケット団のおねーさんがいないと中途半端。ヨルノズクについてはカツリザノズクが有力ですが、グドラが一定数いそうなので選べませんでした。

 

使うデッキは……

以上から、使用デッキは3択に絞りました。

A:攻め倒すならニドランフレンズ

B:炎を恐れないならフシギバナ

C:ミラーで勝てるならキングドラ

Aはミラー相手の有効札を探しつつ、B・Cのような高耐久の突破を検討する必要があります。ディフェンダー3枚以上の採用は確定として、良案が浮かびませんでした(じゃんけんで全勝するくらい?)。

Bは相棒次第で炎相手もなんとかなるのですが、ミラーが大変。また、良くも悪くも普通に強くできるので、マイナーポケモンが入ってきませんでした。私の参加方針からボツに。

Cは雷グドラでミラー対策ができます。ただ、水グドラでないと炎デッキ相手に強く出られない(グドラ以外の水アタッカーがいない)ので、カツウィンが厳しそう。

 

ここまでは考えていたのですが、カードを触る時間が取れないまま大会前日に。グドラ、フシギバナは私が得意にしていて読まれやすいので、本当はAを組みたかったのですが、ニドランはこれまで組んだことがなかったので、経験値の低さから見送りに。

 

直近に組んでいた雷グドラをアレンジしてCを作ることにしました。

 

 

コンセプト

グドラミラーに強い雷

まずこれです。先述の環境読みに加え、グドラと組ませるとだいたいデッキとして戦えるようになるので、グドラデッキは多いと予想していました。

雷グドラといえばスピードボールのビリリダマで1ターン目から殴る型が強く、タッツーをプラパ込みでワンパンできるため、今回もその型の応用でいこうと考えていました。

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直近に組んでいた雷グドラ

 

今回はエネエネマルマインが禁止なので、進化先はわるいマルマイン……と、SMB11月予選で使用したスライに似た戦術を想定して調整を進めてみましたが、頓挫。エナジーボムで雷エネ2枚を飛ばす先、わるいマルマインの逃がし方について明快な答えが出せませんでした。

そんな中で目に留まったのがマチスピカチュウライチュウです。マチスピカチュウは1エネ打点こそないものの、トラッシュからのエネ加速が可能。マチスライチュウは2エネ30点のメガトンパンチがあり、プラパ込みでシードラをワンパンできます。

 

HP100圏の相手への対処

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グドラにない高火力を実現

マチスライチュウがこの環境でえらいのは、4エネ100点の10まんボルトをもっていること。エネをすべてトラッシュすることになりますが、この環境で厄介なフシギバナキングドラ、カツラのウィンディを一発で沈められます。これらのポケモンは1体落とすだけで戦況が大きく変わるため、大きなコストでも払う価値があるでしょう。

グドラデッキは逃げエネを考慮しなければ基本的にエネが余るので、中盤以降にライチュウを立ててじわじわエネを貼っていっても十分な脅威になります。

 

長期戦に耐えうる耐久力

今回のルール上、ポケセンが2枚しか入れられないのは不安要素です。ただ、強い逃げゼロが少ない環境なので、ライコウのいなびかりとワープポイントをうまく使えばそこまで長期化させずにサイド6枚をとり切れるのではないかと考えました。

いいきずぐすりはライチュウライコウに使いやすく、また、手負いのライチュウがいる状態でのグドラ回復に便利です。エネ消費が痛いのでモーモーミルクのほうが相性はいいのですが、グドラに頼る展開になった場合に計算できるのは強みなので、ここは迷いませんでした。

 

その他有力デッキの対策

ニドランフレンズは30打点×2で倒しやすいのですが、ディフェンダーの存在がネック。そこでライコウに加え、ワープポイントを2枚採用することで、ディフェンダーのないベンチのフレンズを狩っていく戦術をとれるようにしました。

カツウィンは当たると困る相手。水のアタッカーがグドラだけなのが厳しいですが、相手に逆指名が2枚しか入らないのでチャンスはありそうです。カツウィンにプラパは入りにくいので、ぎりぎりで受けつつグドラやライチュウの完成を待つ感じになります。ベンチに早くから後続を置かないデッキの特徴上、カツウィンを突破しさえすれば次にほのおのあらし120点を用意するまで時間がかかるので、そこでグドラの30点×2(弱点)で逆転していくイメージ。正直当たらなくてよかった。

エンテイはうまく回されたら負けでいいです。しかしミニスカを引かれなければだいたい受けきれるので、グドラ主体で戦えば問題ありません。

 

以上の検討を踏まえて、下記のデッキになりました。

 

 

デッキレシピ

4 タッツー(neo1)
3 シードラ(neo1)
3 キングドラ(neo3)
2 マチスピカチュウマチス
2 マチスライチュウマチス
1 ライコウ(neo3)
1 エイパム(neo1)

 

4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 クルミ
4 マサキ
1 スパイ作戦

 

3 ポケモン交換おじさん
1 礼儀作法
2 夜の廃品回収
2 ポケモンぎゃくしめい☆☆☆☆/★★(今回は計2点)
2 ワープポイント
2 ポケモンセンター☆☆(今回は計2点)
1 いいきずぐすり
3 プラスパワー
1 エネルギースタジアム

 

10 雷エネルギー

 

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杉並殿堂2021 ☆:6/8
新殿堂 ★:2/8
旧裏ニンテンドウカップ'99 :4/4 OK

 

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マチライグドラ

 

大会結果

8人のトーナメントで3勝して優勝できました!

 

●初戦:vsうっどさん

フシギバナ+キョウのベトベトン。こちらが5ターンほどはかせを引けずにドローゴーする間に、フシギバナが立ち、場のエネルギーも潤沢に。長い長い我慢の時間です。ようやくグドラが立ってからはだくりゅうでキョウのベトベトンに圧力をかけつつ、ベンチのライチュウを育成します。その後、逆指名+10まんボルトフシギバナを落として戦況が一変。相手のドローも止まって場が間に合わず、サイドをどんどんまくって勝ち。相手のコイン運に助けられてなんとかライチュウが間に合いました。

 

●2戦目:vsかかしさん

ホウオウ+リザードン。こちらはそもそも3ターン目まで殴れないうえ、初戦に続いてドローゴー状態。相手はもえあがるでエネをためつつ、リザードンへの準備を進めていきます。無理してグドラを立ててホウオウに圧力をかけるも、返しのゴッドバードでグドラが飛ばされ大ピンチに。しかしここでオーキドを引き当て、再びシードラキングドラで粘る展開に。その後、グドラで相手のリザードを逆指名+プラパ×2で落としたところから優勢に転じ、引きとプレミに助けられつつ時間切れでサイド差勝ち。

 

●3戦目:vsジャストさん

ミュウツー+グドラ。私の環境読みと同じく、ニドラン想定で組んだ超デッキのようですが、グドラのおかげで有利対面。また、相手の便利要員アンノーンYもHP40なのでサイドを稼げそうです。序盤はピカチュウのたいでんからライチュウがメガトンパンチを繰り出していく理想展開。ただ、手札のドロソに不安があり、ミュウツーも堅いので、まずはタッツーアンノーンYを呼んでプラパをまじえつつ積極的に落としていきます。ところが、サイドも含めてまたもはかせが引けず大ブレーキに。超リムでライチュウが止められ、グドラでミュウツーを受け続ける苦しい展開。しかし相手にプラパが入っていないのを見切ってだいぶターンを稼げました。その後、相手はグドラが立つも、こちらはライチュウにエネがたまって10まんボルト。その勢いのまま勝ちきりました。相手のリサイクル4裏はさすがに同情。

 

コイン運こそよかったものの、とにかくはかせが引けない日で、3戦とも何もできないターンが結構ありました。グドラの粘り強さ、マチスライチュウの破壊力が功を奏しての優勝です。マチスライチュウがしっかり活躍したので組んだ甲斐がありました!

 

 

おわりに

マチスライチュウは、以前KGさんが「マチライチュウは実質スライ!」みたいなことを言ってデッキを組んでいて、いつか使ってみたいなと思っていました。逃げ2はネックですが、2エネ30点と4エネ100点の両刀はやはり強かったです。ただ、通常のレギュレーションで雷グドラに採用するなら、ビリリダママルマインが第一選択。エネエネで2ターン目からだくりゅうが打て、たつまきも狙っていけるのは大きな点です。とはいえ、マチスライチュウはグドラの弱点である火力を補えるという点で、少なからず採用の余地があるのではないかと思います。

 

聞くところによれば、本家のニンテンドウカップ’99でもライチュウが活躍していたとか。そして今日のTwitterではライチュウがトレンド入り(ライチュウVの情報公開)しており、偶然にも時流に合ったデッキとなりました。活躍させることができてよかったです。

 

 

〈イベント総括はこちらからどうぞ〉

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