主に中継ぎとして8回に登板し、驚異的な防御率の低さ(ぜんぜん点をとられない)で、接戦の勝利に大きく貢献しました。絶対的な信頼のもと、勝負所ので数多く起用されましたが、それにもことごとく応える活躍ぶりで、いつしか相手チームも浅尾が出てくると負けを意識するようになっていたほどです。
そんな浅尾のような、完璧なリリーフを決められるデッキを考えました。
デッキの方針
リリーフエースを探す
「鉄壁」「リリーフ」をキーワードに、なぐれる要塞系カードを中心に考えました。まず出てくるのはラッキーとハガネール。
しかし鋼ラッキーではずっとラッキーが主役なので、リリーフ感に欠いてしまいます。
一方のハガネールは、弱点がメジャーな炎ということで、最近はメインに据えた構築が減っている状況。とはいえ、要塞ハガネールが刺さる相手には絶望的な盤面を作れるカードでもあり、コンセプトに近いと判断しました。「尾=テール」なのもかみ合ってますね(?)
ゲームメーカーを探す
リリーフが生きるためには、序中盤を優位に進めるカードがメインに必要になります。ハガネールが動けるまで時間がかかるので、速攻系アタッカーを候補に考えます。
2020年は2ターン目で40点以上出せるカードが強さを知らしめている環境だったので、そのあたりから、鋼エネを共有しやすいわるいマタドガスを選択。2エネ40点で強いことがわかっているので、あえてタケキュウ型で打点の底上げをしない方向にいきます。
と、ここで非タケキュウ型の似たデッキを思い出します。
「スイカ流わるマタ」は非タケキュウ型でトップクラスの構築だと思っていますが、ハガネールでもラッキーに対してあまり劣っていません(下表)。さらに、ラッキーにない優位点として、殿堂の軽さや起動の速さがあります。
△わるマタの超弱点を受けられる(抵抗力はない)
〇鋼を共有できる
〇わるマタの弾切れ後も戦える
その他のリリーフを探す
浅尾のロングリリーフだけに頼るのはいろいろしんどいので、ほかのリリーフ(サブアタッカー)も検討します。
わるマタは2エネ起動で、エネが枯れたターンが隙になりやすいので、1エネのアタッカーからパチパチピチューを採用。特殊能力が多い環境を見越し、打点の上限が低いわるマタの打点補助をしつつ相手に圧力(ベイビィ判定、攻撃対象のミス、焦りからのリソース切り等)をかけます。
クローザーを探す
終盤にゲームを決めるカード(いわゆる岩瀬枠)があれば入れようかと思いましたが、このデッキでは夜廃を厚く積めば、わるマタでも十分その役割を果たせるんですよね。逆に、「ロングリリーフを見据えた先発浅尾は強い」ということで、イワークーハガネールで序中盤を進めていくこともできるでしょう。あえてクローザーは採用しませんでした。
デッキレシピ
4 ドガース(イントロ)
4 わるいマタドガス(R団)☆☆☆☆
1 イワーク(neo1)
1 ハガネール(neo1)☆
1 コラッタ(R団)
1 ピチュー(neo1)☆☆/★★
4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
4 クルミ
3 マサキ
1 ナツメの眼
3 ポケモン交換おじさん
2 礼儀作法
3 夜の廃品回収
3 エリカの親切
1 学習装置
1 きのみ
2 ポケモンぎゃくしめい☆☆☆☆/★★
1 ポケモンいれかえ
1 ポケモン回収
1 まきちらせ!ベトベトガス
1 元気のかけら
2 ロケット団のアジト
7 草エネルギー
4 鋼エネルギー☆☆☆☆/★★★★
ーーーーーーーー
杉並殿堂2021☆:15/8
新殿堂 ★:8/8
個別解説
ドロソ・サーチ
序盤にドガースを並べる動きは強いので、礼儀作法を複数枚採用。1ターン目になるべくデッキを見られるようにして、ドガースが2枚以上サイド落ちしているようならコラッタをもってくることも考えます(ピチューとは相性の悪いカードですが)。
元気のかけらは終盤にわるマタを活かすカードです。夜廃から引きに行くより手数が少なく、エリカの親切もあるので使いやすいでしょう。
また、もともと相性のいい相手ではあるものの、大暴走型オーダイルを強くみるのであれば、ナツメの眼をカスミの勝負に変えるのもおもしろいです。
入れ替え札
ピチューを採用する都合上、呼び出しのために逆指名を採用しました。イワーク・ハガネール以外は逃げ1以下なのでタイミングよく使えれば強力で、終盤にハガネールと逃げゼロだけの状況にして使う方法もありますが、下手に手札に抱えてテンポダウンするようならおとなしく突風でもいいと思います。
ポケモン回収は壁にしたドガースからダメカンを減らしたい場面や、終盤にハガネールを使いやすくしたい場面で重宝します。ただ、通常の入れ替え札が少し不足している感じはします。
学習装置・きのみ
わるマタに学習装置は必須なので、もう一枚くらい入れたいです。きのみはハガネールにつけると相手の絶望感が増すので採用していますが、エリカの親切で十分延命可能という感覚です。
ポケモン
採用枚数は4か1です。偶然ですが、浅尾の背番号は41でしたね。
使用感
よくも悪くもワンパターンだったわるマタデッキに、強固な後詰が控えているのはなかなか強力です。
スタートがイワークになるとやや動きづらいですが、ハガネールを目指すと見せて、逆指名を引いたら一気に展開してわるマタにスイッチする、といった動きもできて幅をもてます。また、鋼エネのやりくり次第では、ハガネールが2回立つこともありえます。
浅尾が1試合で2回出てくるって反則じゃないですか?
わるマタは一度ワンパンされ始めると立て直しが難しい面がありますが、ハガネールやピチューがいいブレーキになってくれます。トレーナーロックに関しては強くありませんが、従来より受けやすくはなっていると思います。
第三回パソ通杯使用デッキ。2勝1敗オポ差で予選敗退でしたが、本戦優勝者に負けただけなので実質(略)。
— まくらぎ@旧裏 (@sleeper_pcg) 2020年9月20日
「ロングリリーフを見据えた先発浅尾は強い」理論に基づいたデッキですが、中終盤に一気にドガースを並べる手も強力です(つまり浅尾は強い)。 pic.twitter.com/mdnkoFZ2hg
結論:浅尾はどこで投げても強い
おわりに
今回のデッキは、予選・本戦でデッキを変えられる大会の予選で使い、本戦ではパーツを組み替えて別のわるマタで戦う予定でした。
上記の大会では苦杯をなめてしまいましたが、その他の対戦でもかなり高い勝率を記録しているデッキです。上記の大会の1か月後の別の大会で、なぜかわるマタの使用率が高かったのには驚きました。このデッキ、わるマタミラーに強いんですよね……。
また、 やはりハガネールは苦手対面以外で立てると強力で、現代将棋でよく言われる「隙あらば穴熊」のように、「隙あらばハガネール」を目指すのも戦術としては有効なのかなとも思います。
ほかに公開中のものでは、下記のデッキで採用しています。ぜひ試してみてください。