旧裏LO(2019)の考察
2019年の旧裏で強かったLOデッキ(相手の山札切れで勝つ)について、自分なりに考察してみました。ほかにもたくさんの型があると思いますが、私が見た中で個人的に印象的だったものを拾っています。
流行に先鞭をつけた「殴れるLOデッキ」
昨年、emptyさんのドンべトンのラッキーLO が登場したあたりから、急激に強力なLOデッキが増えてきました。杉並殿堂2020ではくすぐりマシーンとセキチクギミックに殿堂がつきましたが、新殿堂ではLOが依然として強力な型であり続けるでしょう。
なぜLOが強いのか。emptyさん曰く、「殴れるLOデッキは強い」。以下、上記のリンク先の記事からの引用です。
旧裏においてリソースが足りないという話をしましたが、リソースが足りなくなる一番の要因はオーキドはかせです。オーキドはかせは場を展開する上では間違いなく最強のカードですが、同時に手札を全て捨てて山を7枚も削ってしまいます。これが終盤のリソース切れに繋がるわけです。
ドンファンの50点など、無視できない打点を見せて相手に対応を迫ることにより、リソースの枯渇を誘う――これが「殴れるLOデッキ」の強さです。LOを重く見るならば、オーキドをはじめとした大量のリソースを切ってしまうカードの評価は難しくなってきます。オーキド不要説を唱える方がみられるのも納得できます。
ワンパンされない鋼ラッキー
鋼ラッキーの強さ
「殴れるLOデッキ」を、“無視できない打点への対応を迫る”タイプと定義するなら、「鋼ラッキー」は少しこのタイプと外れます。
「鋼ラッキー」は鋼エネルギー4枚をラッキーにつけ、「すてみタックル」を反動なしの40点にしつつ、相手からの攻撃も-40するという要塞化戦術です。これは打点40も無視できないですが、デッキによっては鋼ラッキーの完成がすなわち負けを意味する場合があります(基本打点が低い、リムーブカードがないなど)。
そのため、相手はラッキーを見た瞬間にすごい勢いで山を掘り始めたりするわけです。しいて言うなら、“展開への対応を迫る”あたりになるでしょうか。
また、「鋼ラッキー」は、ラッキー1体に依存してしまう一方、非常にワンパンされにくいのが強いです。
最近ではセキチクギミック下での「_のラッキー」(HP90)の極悪ぶりを受け、HP90圏をワンパンできる打点を作れるようにデッキが組まれることが多くなっています。そのため、従来活躍したような「HP80くらいのアタッカーをディフェンダーやきのみで守る」タイプのデッキ*1は厳しい状況です。その中でも、鋼ラッキーのワンパンまで計算に入れたデッキはなかなかありません。
流動枠の多さ=回復リソースの豊富さ
ハピナスに殿堂がついてない新殿堂なら、ハピナスのタマゴうみでの40か80(コインで1/2)の回復が使いやすく強力。
また、えぼそさんのWラッキーLOは衝撃的で、フーディンでラッキーに乗ったダメカンを_(キョウ)のラッキーに移し、セキチクシティジムでデッキに回収――というとんでもないシステムを擁していました。ちなみに私が闘ニョロボンで対戦したとき、鋼じごくぐるま60×弱点2=120点でラッキーを殴り続けましたが、結局倒せないままLOされました。格闘技でもなかなかない負け方ですね。
鋼ラッキー完成後はエネが余るので、個人的にはいいきずぐすりも足しとくとなかなか強いんじゃないかと思います。
いずれにせよ、必要な札が少ないので、上記のようなギミックに枠を大きく割けるというのもメリットであり、鋼ラッキーのおもしろいところですね。
独特のドロソ配分
鋼ラッキーは終盤に残しておきたいカードが多いため、オーキドを入れないドロソ配分をよくみかけます。前述のemptyさんの記事にあるようにLOの一番の要因がオーキドならば、LO狙いのデッキでオーキドが抜けるのはごく自然です。ではどんな配分がよいのか?
個人的に2019年で1、2を争う衝撃的なデッキであり、今回の記事を書くきっかけとなったデッキがあります。B3さんの鋼ラッキーです。
ウツギ×4
エリカ×4
マサキ×3
パソコン大暴走!×3
ナツメの眼×1
4投しているベロリンガのHPと壁性能なら相手に何枚引かせても大丈夫、という発想です。そしてウツギは山札回復用。夜の廃品回収を使うよりも、手札を戻して山回復したいときが多いです。オーキド抜きは事故率があがりやすいですが、このドロソ配分はすごく使いやすいと感じます。
ちなみにこのデッキレシピ、実際回してみると、終盤まで無駄なカードがほとんど出ないことに感動します。すごい。
その他LO:プテラカポエラー
現状ほとんどの実戦的なLOは上2つに分類されると思いますが、ほかに特筆すべきものを挙げておきます。てるるさんのプテラカポエラーです。
ドンファンと似た動きをしますが、カポエラーの打点は30点。打点で圧力をかけるものではありません。なにかの化石とカポエラーを見てプテラを警戒して山を掘るか、いきなりプテラを出されて対応を迫られるか。どちらかというと対応を迫られるLOの型です。序盤は。
このデッキ、カポエラーには手貼りしかないので倒されるとかなり致命的に見えますが、壁ギミックが壊されても修復が容易であることから見た目以上に受けが強いです。
そして、呼び出しカードのリソース切れを狙っています。プテラで一枚、育ったカポエラーで1枚、オムナイトで一枚と考えると、2周すれば逆指名4投でも足りなくなります。
てるるさんはSMレギュでもLOに熟達された方ですし、対戦した際はそのプレイングにも舌を巻きましたが、これを扱える人はそう多くないと思います……。現状旧裏で類型や転用を思いつかないです。
今後のLO対策について
こんな見出し書けるほど精通していませんが……
鋼ラッキーに限らず、ベロリンガ(ジャングル)の壁性能が優秀であり、_のラッキーが依然として強いので、闘タイプが増えてもいいと思います。
現状ドンファンがやっぱり強いのと、闘イノムーも見過ごせません。ほかにもまだまだ闘タイプには可能性があると思っています。
また、2019年はさまざまなデッキにブラッキーがみられましたが、ブラッキーやヤミカラスを活躍させるほうが半端にリムーブを入れるよりもLO系に強くなれそうです。
一方で、新しいLOの型が出てくる可能性もあります。たとえば、炎エネを軸にした鋼ラッキーでやまやきファイヤー。前述のemptyさんの記事では、ファイヤーLOの場にかける圧力が乏しいことが指摘されていますが、鋼ラッキーの圧力が加われば可能性を感じます。ファイヤーは闘抵抗持ちですし。もっとも、炎エネを見たときにファイヤーの存在を確信されそうではありますが……
デッキ紹介
これまでLOデッキは作ったことがなかったのですが、これを機に2つ作ってみました。いずれもB3式鋼ラッキーです。
催眠ラッキーLO
超エネ軸で「えんかくさいみん」を利用する鋼ラッキー。「にんぎょうつかい」スリーパーも暗躍します。
やさしい水浴びLO
やさしいシャワーズ+ヤドランの回復ギミックで鋼ラッキーを支えます。相手によっては1-1ラインで入っているハガネールを要塞化。
おわりに
およそ20年ぶりに復帰した当初は「旧裏はエースで殴りあってこそ!」と思っていましたが、さまざまな勝ち筋を探してつないでいくのも楽しいなと最近は感じています(遅延による時間切れは嫌ですが)。
2020年も度肝を抜かれるようなデッキに出会えることを楽しみにしています。