「ディフェンダー」をたしなむ
打点の低い旧裏では、勝負を大きく左右することもある-20点。
今回は旧裏で一番好きな「ディフェンダー」についての考察です。
何が強いのか
確定数をずらせる
旧裏は打点が低いのが特徴で、「3回の攻撃で倒す」とか「これとこれを組み合わせて倒す」と計算しながらゲームを進めていきます。そのため、その計算がずれてしまうと、1ターン余計にかかったり、解決策を求めに山札を掘ることになったりします。これがまず強い。
また、旧裏は一度形勢が傾くと巻き返す手段に乏しいわりに、結構簡単にそういう分岐点がやってくるゲームです。ディフェンダーは序盤からそういった分岐を作り出せる可能性をもっています。
最大HP以上の打点を受けられる
きのみやきずぐすりとの大きな違いはここですね。1枚で最大HP+10点、2枚貼れば+30点まで耐えてしまいます。旧裏では青天井火力のカードが現実的なラインではないため、確実に凌げる盤面が作れたりします。将棋でいう、”詰めろ逃れの詰めろ”が決まったりすると快感の極みです。
じばく系の反動ダメージはディフェンダー2枚で受かるうえ、相手のリターンもシャットアウトして連発できる可能性が高いので、そういったデッキも近々作ってみたいです(一度頓挫しましたが…)。また、きのみ系と異なり、ポケモンチェックまで待ってたら反動ダメージできぜつする、という場合でもディフェンダーは助かります。
どこでもつけられて剥がれない
プラスパワーはバトル場でしかつけられませんが、ディフェンダーはそのしばりがありません。「このターンバトル場に出せるかわからないけど、オーキド前につけておくか…」といったことができるのは、使い勝手がいいですね。
ベンチ攻撃が強い相手に対して、凌ぎに使えるのもいいところです。杉並殿堂2020ではGR団のミュウツーがやや使いやすくなったので、「ポケモンの笛で呼び出されたビリリダマを守って勝ち」といった場面も出てくるかもしれません。
また、「ポケモンのどうぐ」でもないので、剥がれる心配もないのも心強いところ。
相手の出方を変えられる
あまり注目されませんが、これも結構大きいと思います。
このターン攻撃してもメリットが薄い(ダメージが通らなかったりリターンが重い)と判断すると、相手は次善策をとってきます。具体的には主戦を下げて壁を出したり、サブアタッカーを出したりといった動きです。
相手のデッキにもよるので、構築段階からこれを狙うのは得策ではありませんが、プレイングではこちらの戦術に誘導したり、悪手を誘ったりできます。こうしたテクニカルな要素もなかなか魅力的。
注意点
だましうちやスピードスターなどの技は通る
上記の技は、「その他の効果」も無視してダメージを与えるので注意です。ディフェンダーに頼ったデッキは、ブラッキー(neo2)にしばかれます。お手上げにならないよう急ぎましょう。
技以外(効果など)は通る
ダメカンを乗せる技や、特殊能力によるダメージはディフェンダーで防げません。特にわるクロ相手のときは、ディフェンダーを過信すると痛い目にあいます。
多投すると手札でだぶつきやすい
プラパと違って場に置きやすいのですが、採用理由が明確なデッキであるほど「多投」かつ「必要なところまでとっておきたい」ということでだぶつきのリスクがあります。入れるのが定番のデッキでも4投は難しいかな、という感覚です。
環境・トレンドとの関連
LO系で強いデッキが頻出しているので、「凌いで2発で倒す」という発想より「なんとか1回で倒す」発想のほうが構築段階で優先されそうです。そのため、反動消しなどの明確な採用理由がないとデッキパワーはあがりにくいかな、というのが2019年での感想です。2019年は”受け”が流行したわりにディフェンダーが入る構築は多くなかったので少し寂しかったです…。
杉並殿堂2020では、より殴り合い重視になったので、大エースを守り抜く構築での採用はぜんぜんありえると思います。この殿堂はたぶんその戦い方を歓迎しているので。しかしその場合は回復カードも多く積むことになるので、「どう回すか」の回答は必須になりますね。
デッキレシピリンク
あまりディフェンダーが刺さらない年だったので、あげているレシピもディフェンダー採用は少なめですが紹介します(今後追加するかもしれません)。
技を受けるポケモンにかかっている効果の計算より、ディフェンダーの計算のほうが先。キングラーがもし2回もろばバサミを使えたら…という期待を込めて。
避けられるものもあえて受けたり、ライコウのデメリットを予防したりといった使い方。HP50は多い、と思わせてくれるデッキです。
おわりに
個々のカードをメインとした考察は、やっている人こそ多くないですが、個性が出て楽しいと思うのでこれからもやっていきます。タイトルはあぷーさんの良記事シリーズ、「~をあじわう」へのオマージュです。「たしなむ」って、字面よりもとっつきやすい気がしません?そんなノリで気軽に書こうかなと。この類の記事はページだけ先に作って、どんどん追記していったほうがおもしろそうなので、そういうスタンスでいこうと思います。